Dark&Smile (ページ17)

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まさか店員さんに覚えられていたとは思っていなかったのでびっくりした。

駅前の店舗だし、利用するお客さんも多いはずなのに。

自分のことを気にかけてくれているだけでこんなにうれしいものなのか。

東京に出てから地元の友達とも家族とも離れてしまい、学校やバイト先で話す人はいるがどことなく距離があるように感じていた。

唯一の支えは瑠姫だったけど、きっともう瑠姫の心は私に向いていない。

家に入ってシャワーを浴び、部屋着に着替えてから晩酌をする。

本当にお酒には弱いので、3%のチューハイを半分飲んだだけで頭がぼーっとして体が熱くなっていくのがわかる。

そのままお酒を全て飲みきり、ベッドで少しスマホを見るつもりがいつのまにか眠りに落ちていた。

午前7時。

アラームに起こされて目が覚める。

今日も退屈な1日が始まろうとしていた。

朝食はいつもあまり食べない。

朝が弱い私にとって毎朝作るのも面倒だし、食べるのも面倒だからだ。

支度を済ませて家を出る。

昨日はスタバに行ったが、正直毎朝スタバでは出費がかさむ。

今日はコンビニのマシンで入れるカフェラテにしよう。

もう朝だし、いるはずがないと思いながらもついいつものコンビニに寄ってしまう。

案の定豆原さんはもうあがってしまったようで、レジでは外国人の女性が接客していた。

心のどこかで残念に感じている自分を感じつつ、ラテを買って駅へ向かう。