Dark&Smile (ページ20)

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電車が駅に着き、犯人が逃げないようにがっちり腕を掴んだままの豆原さんと一緒にホームに降りた。

電車に乗っていた痴漢のことを知っている人からは相変わらず視線を感じるし、他の人も腕を掴まれている犯人と私をチラチラと見ていた。

駅員さんのところへ行き、事情は全て豆原さんが説明してくれた。

呼んでくれた警察の人がすぐに来て、私も詳しく話を聞かれた。

犯人は相変わらずやっていないと主張していたが、常習犯だったようで、警察からもマークされていたようだ。

犯人はその後警察署に連れて行かれ、私は被害届を出すのであれば来てほしいと言われたが、正直これ以上痴漢のことを話すのは辛いし、一刻も早くこの場から離れたかった。

結局被害届は出さないことにした。

警察の人がいなくなるまで豆原さんはずっとついていてくれた。

『本当にご迷惑おかけしました、ありがとうございました。』

豆原「迷惑だなんてとんでもないです！」

『でも、なんで私が痴漢されてるって気づいたんですか？』

豆原「実は俺、ホームに並んでたときからお姉さんに気づいてたんです。
だけどよく行くコンビニの店員から話しかけられるってストーカーとか思われないかなってビビっちゃって声かけれなくて。
電車乗ってからもチラチラ見ちゃってたんですけど、逆にそれで気づけたっていう」

『ほんとに助かりました、
私痴漢されたの初めてで怖くて声も出せなかったので、豆原さんが気づいてくれてうれしかったです。』