save the world (ページ42)

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海人ルート【 1 】海人side─1 ページ42

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誘い出せるチャンスを待ってた

突然、見知らぬ場所で、しかも夜の森の中、魔物に襲われる恐怖はどれほどのものだっただろう

あの夜のAちゃんは酷く取り乱していたけれど、それも無理ないと思う

気丈に振る舞って、
自分に出来ることをしようって前向きに気持ちを切り替えて頑張っている姿はカッコイイよ

でも、大丈夫なのかな

そんな簡単に受け入れられる？
本当は不安でいっぱいなんじゃない？

頑張っているところに水を差すのも気が引けて黙っていたけれど、ずっと心配だった

そして

その心配はきっと当たってたんだ

今日、覚えたての魔法で魔物と対峙して、無事にクリアした後、僅かだけど脚が震えていた

俺はまだまだ皆と比べたら全然だけど、皆が、このチームが大好きだから、皆の事はちゃんと見てるつもり

怖かったのか、安堵なのか分からないけれど、それだけ気持ちを張り詰めていたAちゃんの心を溶かしてあげたいって思った

───────

「Aちゃん、釣り行くよ！」

仕事を探しているらしいAちゃんに声を掛ける

釣りした事ないって？
大丈夫、俺らは釣らないから！

手を引いて上流に向かって歩き、魚を捕るのに良さそうな岩場に着くと、サラサラと、でも愛情を込めてペンを走らせる

気持ち、可愛いめにしよっと

んふふ、描いてるのは釣竿じゃないんだなー

描き終わったコに「出ておいで」と呼び掛ければ、光と共に実体化する

『クマ⁉⁉』

まぁ、そうなるよね

側に寄り添って来たクマの頭を撫でてやる

「Aちゃんも触っていいよ」

『え、え、大丈夫なの？飼い主さんじゃないとダメだったりしない？』

「平気平気、喜ぶから撫でてあげて」

さりげなく(バレバレだけど)隠れていた俺の後ろから顔を覗かせて、小声で"失礼しまーす"って呟きながらそーっと手を伸ばすAちゃん、
バチボコに可愛い

「これからAちゃんの歓迎パーティーするから、魚いっぱい捕ってきて！」

頷いて川に入っていくクマに「よろしくね」と一声掛けて、籠も忘れずに置いておく

よし、これで準備はオッケー！

二人で座るのに良さそうな岩を探して、Aちゃんを誘った

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