第2話。 ページ40
〜〜♪
彼女が寝室に行った後、ソファでうたた寝をしていた俺の携帯がブルブルと震えた。
「誰だよこんな時間に…」
若干キレ気味で携帯を手に取り画面を確認する。
母さんかよ。
めんどくせ。
俺は携帯に移るその文字にため息をつき机に携帯を置く。
…〜♪
切られては鳴り切られては鳴る。
「ちっ、しつけぇな」
俺は母親のしつこさに負け携帯を再び手に取った。
「…んだよ」
<なんだよじゃないわよ!あんたね1週間も家に帰らないでどういうつもりなの!?>
「うっせーな、もう俺は帰りつもりねぇから」
<なにをいってるの!?まだ中学生なのよ?>
「だからしつこいんだよ!もうかけてくんな」
<なんて口の利き方してるのよ!あんたいったいどこにいるの?>
「いうわけないだろ。もう切るぞ、二度と掛けてくんな」
<ちょっと待ちなさいっ…プツ…ツーツー>
「はぁ」
あれからしばらく鳴り続ける携帯の電源を切りため息をつく。
そっかもう俺、1週間もここにいるのか。
学校も休んじまってるしな。
学校か…。
そういえば俺ら受験生だし…
タクミが俺はとりあえず風邪ってことになってるって言ってたしまだ大丈夫か。
てかお兄さん、学校になんて言ってんだろ。
渡辺さんお父さんいるって言ってたよな?
明日どうなってるかタクミに聞いてみるか…。
「あー…」
俺はそんな気の抜けた声を出してソファに倒れ込んだ。
心配事ばっかで頭いてぇ。
親、学校、彼女のお兄さんやお父さん。
そして彼女。
たかが1週間。されど1週間。
「…色々めんどくせぇな」
「ごめんね」
その声にハッと起き上がりその声がする方を振り返る。
「渡辺さん…いつからそこに?」
「喉が乾いて…聞くつもりじゃなくて…」
…今の聞こえたのか?
いや、でもあれは別に彼女のことじゃないし…
今言えば言い訳くさくなるか?
でも本当のことだし…
「田ノ浦くん、私はもう大丈夫だよ」
「は?何言ってんの?」
「…学校もあるし、その…もう家に帰ろ…」
ふざけんなよ。
マジで何言ってんだよ。
俺を信じろって言ったばっかじゃねぇか。
信じてついてきたんじゃねぇのかよ。
ガンッ
「帰りたいなら勝手に帰れよ!」
気づけば俺は机を蹴飛ばしていた。
俺のその行動に彼女はびくりと肩を振るわせた。
「そうだよね…へへ、ごめんなさい…明日…帰るね」
俺が彼女の涙よりも辛い事。
それは涙を堪えて必死で笑う君の笑顔…。
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kitty(プロフ) - コメント失礼致します。続編のパスワードを教えていただきたいのですがよろしいでしょうか? (2021年3月1日 2時) (レス) id: ec02268633 (このIDを非表示/違反報告)
ツミキ(プロフ) - こんにちは!コメント失礼します!続編のパスワードをお伺しでもよろしいでしょうか! (2021年2月20日 21時) (レス) id: 38aa17f1c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - コメント失礼します!よろしければ続編のパスワード教えていただきたいです!よろしくお願いします。 (2021年2月20日 8時) (レス) id: 69753dea94 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - こんにちは、コメント失礼致します。いつも作品楽しく読ませて頂いております。もしよろしければ続編のパスワードの方お伺いしてもよろしいでしょうか?よろしくお願い致します。 (2021年2月15日 7時) (レス) id: ad7059f36c (このIDを非表示/違反報告)
あられ@帝国民(プロフ) - コメント失礼します!続きがすごい気になるお話でした!!もし主様がよろしければ、続編のパスワードを教えて頂きたいです!よろしくお願いいたします! (2021年2月14日 14時) (レス) id: dc7474ee4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりあ | 作成日時:2019年6月4日 4時