第5話。 ページ37
「ここは？」
私はその家を見るなり田ノ浦くんに質問した。
「まぁ隠れ家かな？」
隠れ家…？
小さくて可愛い家…。
「大丈夫、ここはキッチンもあるし非常用の食料だってあるよ」
「そ、そういう問題ではなくて…ここは田ノ浦くんのお家なの？」
誰も住んでないみたいだけど…
入って大丈夫なのかな？
「んー家っていうか父さんが趣味で作った別荘みたいなもんかな？」
「すごい人なんだね田ノ浦くんのお父さん」
「うちの母さん怒ると怖いんだよ。だから父さんがたまにここに逃げ込んでるわけ。」
田ノ浦くんはそういうと優しく微笑んだ。
田ノ浦くんのお父さんとお母さんか…
私からすると両親がいるっていうだけで羨ましい。
「いいなぁ…」
ふと出た本心に私はすぐに口を閉じた。
彼はそれを察したのか私の顔を両手で包んだ。
「家族なんて俺と作ればいいじゃん」
「…え？」
「結婚して子供作ってそれで幸せになればいいじゃん」
「田ノ浦くん…」
そんなこと考えたことすらなかった。
自分の未来なんてないと思ってた。
なのに貴方は私の心にすっと入り込んで優しく包んでくれる。
「また泣く…」
気づけば私はまた大量の涙を流していた。
「泣き虫は結婚してからも治らなそうだな」
彼はそう優しく笑うと私の唇にキスを落とした。
田ノ浦くん…
田ノ浦くん…
田ノ浦くん…
「私、きっとこれ以上幸せなことなんてないと思う…」
「何言ってんの？これからだろ」
なんで貴方はそんなに強いの？
なんで私に未来をくれるの？
「田ノ浦くん…来世はきっとすごく恵まれた人になると思う」
「バーカ、また君に出会えたらそれで充分だ」
「私の人生でもうこんな幸せなことなんて無いと思う。」
これは私の口癖。
「もっとちゃんとこの気持ちを貴方に伝えたらよかった。」
これが私の後悔。
「貴方に出逢えてよかった。」
これが私の本音。
田ノ浦くん、私は心からそう思えるくらい貴方とこの家で過ごせた時間は宝物でした。
貴方は今、何を考えて何を思っているの？
貴方に会いたい。
「俺を信じて」
「俺を…信じて」
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kitty(プロフ) - コメント失礼致します。続編のパスワードを教えていただきたいのですがよろしいでしょうか？ (2021年3月1日 2時) (
レス) id: ec02268633 (このIDを非表示/違反報告)
ツミキ(プロフ) - こんにちは！コメント失礼します！続編のパスワードをお伺しでもよろしいでしょうか！ (2021年2月20日 21時) (レス) id: 38aa17f1c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆ(プロフ) - コメント失礼します！よろしければ続編のパスワード教えていただきたいです！よろしくお願いします。 (2021年2月20日 8時) (レス) id: 69753dea94 (このIDを非表示/違反報告)
なの(プロフ) - こんにちは、コメント失礼致します。いつも作品楽しく読ませて頂いております。もしよろしければ続編のパスワードの方お伺いしてもよろしいでしょうか？よろしくお願い致します。 (2021年2月15日 7時) (レス) id: ad7059f36c (このIDを非表示/違反報告)
あられ@帝国民(プロフ) - コメント失礼します！続きがすごい気になるお話でした！！もし主様がよろしければ、続編のパスワードを教えて頂きたいです！よろしくお願いいたします！ (2021年2月14日 14時) (レス) id: dc7474ee4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりあ | 作成日時：2019年6月4日 4時
