【WT】恋愛短編のお話③【実況者】 (ページ10)

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「よし、終わり！」

収穫は数分で終わり、手持ちはあっという間に作物でいっぱいになった。

疲れた～w後はかぼちゃとスイカの収穫かな？収穫したやつ倉庫に入れるついでに斧持って来るかな。

倉庫に向かうため畑から外に一歩踏み出すと、突然

「は？」

足が土にハマってしまった。普通にウザイ。

僕ははぁっとため息を落とし、その辺に腰を置いて慎重にに足を抜き出す。あーあ、靴に土が挟まっちゃった。

面倒くさがりな僕は靴に挟まった土はを諦めて、ゆっくりと立ち上がる。そして再び倉庫に向かうため一、二歩と歩いていく。すると、ふと違和感を感じた。

「(なんでこんな所に足がハマるような場所があるんだろう)」

ここら辺はよく足を踏み入れる場所だし荷物を置いたりもしてるからしっかり踏み固められてるはず。

……あっ

「(はぁ……最悪)」

僕はすぐさまそこを立ち去ろうと考える。しかし、考えとは反対に体は立ち去ろうとした場所へ動いた。そして、どんどんとさっき足がハマった場所を掘り返していった。

「(やめてよ)」

見たくない

「(そこには何もないよ)」

けど体は勝手に動く

そしてついに見つけてしまった。

「(ああ………)」

声もろくに出せなくなった僕は、ただ無心に周りの土を丁寧に払い除け、見つけたそれを土の中から取り出す。

「もーこんな所にいたんだ！ずっと探してたよ！」

僕はそれに話しかける。

「あーあ、こんなに服も汚しちゃってwこんな悪い子じゃ天使って呼べないな～」

僕は汚れたそれをからかう。

「それじゃあお家へ帰ろっか」

僕はそれを持ち上げ、いつもの様に膝の上に乗せる。

「……ごめんね、僕が神様じゃなくて」

僕は溢れる涙をひたすらに流しながら、冷たくなったそれを優しく抱き締めた。