呼び続ける ページ5
じんわりとタオル越しに伝わる熱が心地よく眠気を誘う
「太一、おきてる?」
「起きてる、」
「なんだか久しぶりじゃない?」
「たしかにな」
中学生までは、
さみしい時、泣きたい時
逆に嬉しい時
誰かと喋りたい時
いつも、お互いの部屋に潜り込んで、
夜中まで話し込んで
「A」
「、どしたの」
「なんかあったんだろ?」
「なんにも、だよ」
「うそ、」
「っ……たい、ち」
「うん、」
いつも、いつまでも優しい君に
また、甘えてしまってもいいえすか
「、どこにも、、行かないで、ね」
「うん」
「…さみしいよ、太一」
「うん」
頬に、長くゴツゴツした指が伸びてくる
「A、こんな双子の片割れで、ごめんな」
「…え……?…んっう……ふぁっ…ぁっ」
重ねてしまえば溶けてしまいそうなのに
また、こうやって、君を求める
「ん、ぁ……あっ……た、いちっ、くるし…んぅ………」
まるで、意識が飛んでしまいそうな
そんな、そんなキスだった
物心ついた時には、もう母はいなかった
いつも、隣には太一がいて
小さくて軟弱な私を助けてくれた
思春期は、そういうコトをしたくなるのだろう
太一は私を求めた
同様に私も太一を求めた
あの日、夏のとても暑い日
扉には鍵をかけて
クーラーをつけて
布団は頭からつま先までかぶって
2人で一夜を過ごした
初めて、繋がってしまった日だった
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作者名:前髪ぱっつん*あきら | 作成日時:2018年4月29日 21時