飛行術/ROOK ページ5
※トレイ運動着パーソナルストーリー内容に似た話を含みます
※not監督生
※語彙力はよ戻れ
───あ。これは。死んだな
調子が良かった日、高い高い上空。猛スピードで横から猪のように箒に乗った何処かの寮生が、腕章をひらつかせ、私と共に真っ逆さま。
突然のことに頭が追いつかなかった。
ハッとして直ぐ下を見れば、気を失っているのであろう同学年の生徒。
風がびゅうびゅうと頬を叩く。今まで教わってきた全ての魔力を注ぎ込むように、相手へ保護魔法を発動しふわりと浮かぶのを見届けた。
運が悪かった。それだけ。
他のみんなは各自難易度の高い飛び方の練習中
人の練習なんて気に掛けられる訳がない。
あ、特大ブーメランか。
ゆっくり段々と近くなってきた私を引きずり込むような地上。悔しくなって、泣きそうになって、諦めて。
力を込めていた指先を柄から離した。
────「っ、A!!!!!」
台風のように回転して、視界の隅から現れた影。あと僅かで地につきそう、と言う時、同時に彼の声.....幻聴がした。
呆れ笑いが零れそうになれば、強い腹部への衝撃で舌を噛みそうになる。
と一瞬思えば、大きな砂埃をおこし、私は触り慣れた胸板へ引き上げられ慌てて首へ手を回す
加速していく箒を操るその人は、“いい子だ”と微かに囁いた後 片手で私の身体を抱き抱えたままスピード任せに学園裏にある森へ飛び込んだ。
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作者名:愛奈 | 作成日時:2021年1月2日 5時