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なんだその興味無さそうな返事。と心の中で文句を垂れながら質問を待った。当の本人は夕焼け空を背になんにしよっかなー、とか口をとがらせて考え込んでいる。考える時間沢山あったやろがい。
「そうだな…あ、元の世界戻りたい?」
『えっ?』
突然すぎる質問に素っ頓狂な声が出てしまった。もうちょいこう、人間って何食べるの?とかさっきの運動神経は?とか聞かれると思って身構えていたのに。…元の世界、かあ。
『…まあ、帰りたくないって言ったら、半分嘘になりますけど』
「マジ?じゃあ魔関署に連絡…」
『でも私、あっちでは死んだはずなんです』
「…ん?…あー、そんなこと言ってたか」
『まあ死因は普通に事故なんですけど。…あっちに戻っても、幽霊扱いか良くて植物状態かなって』
少なくとも入院はしていた気がするし、体が動かなかった感覚もある。脳震盪だけじゃなくて体育館の床に抵抗もなく全身を打ち付けたのも効いている…と思う。多分。
『だから、私がここに居るのは恐らく夢か世界のバグかのどっちかなんですよね。』
「…じゃあ、悪魔に捕まって血吸われたり利用されていいわけ〜?俺、Aが言ってた…オシ?とかに会わせないと思うけど」
『独占欲ですか?』
「ちっっっっっげぇし?!!!!???!(図星)」
顔を真っ赤にして声が裏返ったら誰にだって図星だってバレると思いますよ。面白いから言わないけど。…でも、黙って捕まえて食べてしまえばいいのに、わざわざ我慢して、しかも危険性を相手に伝えるのはまあまあなお人好しだ。悪魔なのに。ちょっと強引なところだってあるけど、まあ悪いひとでないのは原作通りで少しほっとした。
「はぁ…オッサンからかってたのしい?」
『オッサンって……というかそっちがネタ出してきたんじゃないんですか』
「ちがいますぅー、ほんの少しの慈悲ですぅー」
…いや、子供みたいなこの姿を見てるとあんまりお人好しではないのかもしれない。好奇心かな。うんその方がしっくりくるわ。
「んー、まあ知りたいことは山ほどあるけど…そろそろお腹空くじゃん?…人間てこっちの飯食えんのかな」
『あ、多分食べれると思います。前世情報が正しければ。』
「急にとんでもないこと言うなあ。まあいいや、テキトーなのでいい?」
『…見た目が、普通なら』
「おっけー、まかせろり」
……なんか不安になってきた。横で見とこうかな。いや、普通にできればいいんだけど……
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かるな - うっわ…すんごい面白い…更新待ってます! (2022年11月12日 1時) (レス) @page14 id: 1df39dbcc9 (このIDを非表示/違反報告)
もか@ワイテ民(プロフ) - ラダ先可愛すぎんか?更新待ってます! (2022年1月21日 18時) (レス) @page11 id: 471eb0001e (このIDを非表示/違反報告)
レーナ - 私はすきよ........更新待ってます(語彙力はラッ先に血と一緒になめとられたわ) (2022年1月3日 3時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ!!! - アッ、、、、、、好き、、こここ更新!ブリッジでっ待ってます!!! (2021年12月7日 16時) (レス) @page14 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - やっべぇ、夢主と同じ思考回路以上の思考やってら() (2021年8月12日 23時) (レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雪 | 作成日時:2021年4月26日 22時