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とんでもない事実を知ってしまった。あの世界での【ラッダァ】は、確実に既婚者だった筈だ。【夫婦喧嘩の怪我ではない】とか、【惚気聞かせろ】とかいう描写がかっっっくじつにあった。それはラッダァ先生の元ネタさんが結婚されているからで、私も楽しんで読んでいたけれど…ここで、先生が結婚してないとなると話は変わる。…原作と、大いに違っているかもしれない。世界が。……そもそも、げんさ、く、の、はなし、って
『いたっ…!』
「え?俺どっかめっちゃ力入れた?ごめん」
『……思い出せない』
「…?何を?」
『…!あ、いや。なんでもないっす。』
表情は余り変わらないが、心配そうに覗き込んで優しく抱え直すラッダァ先生にうっかり口を滑らせそうになる。流石に「あなたは私のいた世界で漫画になってました!」とか「その記憶がなぜか思い出せません!」とか言えるわけが無い。絶対頭おかしいと思われて食われる。せっかく慈悲をくれてるんだからそれだけは避けよう。
…それにしても、どうして記憶が朧気なの?
「ふーん…あ、そろそろ着くよ」
『…??…どこにですか?』
「俺の家」
『いえ………そうですか……………家!?』
全力で叫んでしまい、しまったと思って顔を見るともう微動だにしていない。自分が大声を出しているせいか、はたまた一応女の子(笑)だから声量はマシなんだろうか。そんなどうでもいいことを考えている私を横目に、ラッダァ先生は目の前にある小綺麗な一軒家の扉の前に私を下ろした。
「あ」
『どうかしました?』
「えーっと…言いにくいんだけどさ。君名前何だっけ」
『あ…』
マントをふわりと舞わせ、こちらを振り返ると困ったように笑いかける。顔良。そういえば自己紹介をしていなかった。私が一方的に知ってて一方的に推し認定して一方的にびっくりした出会いの上、ラッダァ先生が本能に惹かれて錯乱していたのでそういった余裕がなかったんだな。
『確かに、自己紹介してませんでしたね。…えっと、私の名前は…A。Aっていいます。多分ラッダァせ…さんよりも年下です。』
「俺より年上だったら怖いわ。…そっか、Aね。よろしく。」
『はい、こちらこそ、よろしくお願いします。……あとお邪魔します』
「これ家に入ってからで良かったかな?まいっか。どーぞ、上がって。」
言われるがままにスニーカーを脱ぎ、玄関に上がる。…悪魔なのに、こういう面って清潔なんだ。ちょっと笑ってしまった。
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かるな - うっわ…すんごい面白い…更新待ってます! (2022年11月12日 1時) (レス) @page14 id: 1df39dbcc9 (このIDを非表示/違反報告)
もか@ワイテ民(プロフ) - ラダ先可愛すぎんか?更新待ってます! (2022年1月21日 18時) (レス) @page11 id: 471eb0001e (このIDを非表示/違反報告)
レーナ - 私はすきよ........更新待ってます(語彙力はラッ先に血と一緒になめとられたわ) (2022年1月3日 3時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ!!! - アッ、、、、、、好き、、こここ更新!ブリッジでっ待ってます!!! (2021年12月7日 16時) (レス) @page14 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - やっべぇ、夢主と同じ思考回路以上の思考やってら() (2021年8月12日 23時) (レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雪 | 作成日時:2021年4月26日 22時