9 ページ11
『あ"ー！！野菜を切らずに丸ごと入れない！』
「えー、めんどくさいじゃん」
『分かった！分かりました！食材は大体同じなのでやります！やらせてください！！』
「しかたねえな〜」
同居生活開始1日目で死ぬとこだった。0日目かもしれないけど。いや、確かに漫画での料理は美味しそうなものと見た目が宜しくないものとで分かれてたけど、絶対あれの原因こいつだと思う。野菜は切れ。肉は熱入れろ。じゃないといくら悪魔の体が丈夫でも死ぬぞ。
今作ろうとしてるのは恐らくカレーだ。…恐らく、というのは元の世界での名前なだけで、こっちでの名前は不明だから。あと横で不貞腐れてる人が野菜まるごと入れようとしてたから。
『ほら、拗ねないで今のうちにお風呂入れてきてください。』
「俺が作りたかったのに……」
『ラッダァせ…さん、ルーだけでご飯抜きにしますよ』
「それは嫌！！」
即答すると猛ダッシュで駆けていった。あれでも体育教師だからご飯食べたいし足早いんだな。ちなみに現在地は１階のキッチン、お風呂場は2階である。(と、教えてもらった。)やっぱり子供みたいだと思いつつ、まな板に体を向ける。…元とあまり変わらない包丁や野菜を見て、これがどうなったらあの得体の知れないものになるのかちょっと気になった。
……
『あとは軽く混ぜながら待つだけかな』
「Aー、もうご飯よそっていい？」
『はーい。後ちょっとなのでご飯そこに置いて待ってて下さい』
食卓にルーの香辛料と野菜やお肉が出す甘い香りが漂う。そういえばラッダァ先生と話すのに夢中で自分がお腹を好かせていることも忘れていたな。我ながら美味しそうにできたし、今日はちょっと多めに食べておこう。
2人分の皿にルーを盛り付け、量を調整する。普通の1人前が私の分で、明らかに山盛りにされたご飯がラッダァ先生だ。食いすぎだろ。
『できましたよ〜』
「うわ美味そう。俺の知ってる料理の見た目と全然ちげー」
『…それは私じゃなくてラッダァ先…さんがおかしいんですよ…』
普段どんな食事してんだこの人。腹壊しても本当に知らんぞ。まあ、そんなことは置いといて、冷めないうちに食べてしまおう。
『いただきます。』
「…？なんだそれ。人間の習慣？」
『んー…ま、そんなところですね。』
「へー。人間って変なことするんだな。」
…私にとっては盛りまくったはずのそれが一瞬で消えてることが変ですけどね。あ、おかわりですか。はい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 149人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「転生」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かるな - うっわ…すんごい面白い…更新待ってます！ (2022年11月12日 1時) (
レス) @page14 id: 1df39dbcc9 (このIDを非表示/違反報告)
もか＠ワイテ民(プロフ) - ラダ先可愛すぎんか？更新待ってます！ (2022年1月21日 18時) (レス) @page11 id: 471eb0001e (このIDを非表示/違反報告)
レーナ - 私はすきよ........更新待ってます（語彙力はラッ先に血と一緒になめとられたわ） (2022年1月3日 3時) (レス) id: c89295cbe6 (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ！！！ - ｱｯ､､､､､､好き、、こここ更新！ブリッジでっ待ってます！！！ (2021年12月7日 16時) (レス) @page14 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - やっべぇ、夢主と同じ思考回路以上の思考やってら() (2021年8月12日 23時) (レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白雪 | 作成日時：2021年4月26日 22時
