【鬼滅の刃】氷雪は降り積もる【不死川実弥】

第23話 ページ24

ムカついた。


伊「じじ様ってのが、いたんじゃねぇのか？」
『死んだ。鬼殺隊の試験の日に、帰ったら死んでた』
伊「…………悲しく、ねぇのかよ」
『悲しくないさ、人はいずれ死ぬ。悲観的になる必要はない。尼宮家の家訓＜死如き臆することなかれ＞だ』


…………ふざけるな、ふざけるな、ふざけるな！！！
ふざけんじゃねぇぞ！！！
権八郎も、紋逸も、誰かが傷ついたり、死んじまったらちゃんと悲しそうにしてたぞ！！！
すげー悲しそうにしてたぞ！！！普通に悲しいんじゃねぇのか！？嫌なんじゃねぇのかよ！！
それを、悲しくないだと！？いずれ死ぬだと！？
いずれって何だか分かんねぇけどよ、それってつまり今じゃねぇんだろ！！
だったら悲しいって言えよ！！
悲しい気配してんのに、悲しくないって嘘つくんじゃねぇよ！！


伊「お」
『来た』
伊「！！」


言ってやりたかったのに、言えなかった。
鬼をぶった斬る事にしたけど、斬らねぇって、時間を稼ぐって、なんだそれ。
俺は、お前を何一つ好きになれねぇ。
大嫌いな弱味噌野郎だ！！！
鬼の方へと走ろうとしたら、Aはもう遠くにいた。
嘘だろ、同時にむしろ俺の方が先に走り出しただろうがよ！！！なんでもう、そんな所いるんだよ！！
半々羽織みてぇに早ぇ！！いや、半々羽織より早いか！？


『止まれ、声を出すな』
伊「……」


指さした先には二人。


モブ「町長さんや、本当に私が……？」
六「はい、そうですよ」


ちょーちょーって呼ばれる、小太りなじじいと痩せ細ったじじいがいた。
ちょーちょーがもう一人のじじいの肩をさする。
鬼の気配を感じるのに、どこにいるんだ？


六「貴方ほどの徳のある方ならば、都内で立派な先生になれますとも。知り合いを紹介します。せひ、立派な先生になって息子さんを喜ばせてあげて下さい」
モブ「ああ、なんと…なんと………どれほど、夢見たことか……」
六「はい、だからちゃんと……」
伊「！！」


気配が変わった！？！？
あれが鬼だ…！！！！

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