裏話 ページ10
草壁side
屋根を強く打ち付けていた昨晩の大雨が嘘のように晴れわたり、すがすがしい朝。
委員長は基本とても早起きだが、昨晩のように雨や風の音がうるさいとよく眠れないらしく、オレが起こしに行くまでよく眠られている。
まあ、それでもオレが襖を開ける前には気配で起きているようだが。
ちなみにオレは、風紀委員会副委員長として、委員長の家で生活し、家事全般をやらせていただいている。
委員長は群れるのが嫌いなので、オレひとりでこの広い家の家事をするのは大変といえば大変だが、委員長のお役にたてるのならこんなことは造作もないことだ。
そう思いながら委員長の部屋の襖をそっと開けたと同時に、
「おはようございます、委員長。昨晩、は……！？」
目の前の現実が受け入れられず、驚きで後ろに倒れこんでしまう。
頭を柱に打ち付けたいという謎の気分になったが、問題はそこじゃない。
い、委員長がAさんと一緒に………！？！？
ふたりはなぜか抱き合いながら寝ていた。確かにAさんが昨日泊まっていたことは知っていたし、最近委員長とよく一緒にいることは知っていたが……。
い、委員長にも春が……！
感動で目から熱いものが溢れるのにも構わず、急いで襖を閉め、その部屋を後にした。
他の風紀委員達にも伝えなくては……！
実はAは草壁が倒れた音で起きてしまい、襖に手をかけ必死で助けを求めていたのだが、その事に気づくはずもなく。(雲雀さんに抱きつかれててパニック、強く抱きつかれてて離れられない。)
浮き足だちながら草壁は朝食の用意をするのだった。
「く……草壁さんーっ！！」
「ふぁ……君、うるさいよ」
「げっ」
「まだ眠い。寝るよ」
「ちょ、ひとりで寝てくださいー！誰か、ヘルプミー！！！」
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作者名：夢うさぎ | 作成日時：2019年5月3日 19時
