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不意に、ポケットに突っ込んであった携帯がプルプルと震えた気がした。
この重い空気の中、救われたように素早く取りだし、携帯を確認すると、千種からのメールだった。
内容は簡潔で、ただ「フードコート」とだけ書かれていた。
うん、というかナイスタイミングだね！！
お礼に後でさっき骸に内緒で買ったナッポーのニット帽をあげよう。
フードコートで合流し、昼食を取った。
ちなみに僕はうどん、骸はサンドイッチ、千種はラーメン、犬はステーキを食べた。
……なんか骸だけオシャレなもの食べてんのムカつくな。
「あ"ー……食えるだけ食ったびょん！もう食べらんれー」
「あんた食べすぎなんですよー。人の金で。遠慮ってもんを、…あ、すみません、バカですもんね、知りませんよねー」
「誰がバカら！ しつこいんらよ！ 好きなもん食っていいっつったのはおめーらろ！」
「好きなだけ食べていいとは言ってませーん」
のんびりとした昼下がり。無事買い物を終えた僕たちは家への帰り道を連れだって歩いていた。
後、もう少しで家に着く、というところで。
「……やっべ」
「A、あれ…」
僕達は出会ってしまった。
…………恭弥先輩に。
え、え、どうしよう！？ 普通にどうしよう！？！？
やっぱさっきフラグ建てちゃったからかな！？
いいい一旦落ち着け、深呼吸だ深呼吸。……スゥゥゥハァァァ、……うん、全然落ち着けん。
「どうするんですか？ 倒しますか？」
一番冷静な骸が小声で聞いてくる。
ちなみに、千種達はまだ気づいていないようだ。
うーん……そうだな……
…………って、
「いや、倒すってなんですかー。おかしくないですかー？」
危ない、流されるところだったよ。つーか、ここで骸と先輩が喧嘩、というか殺し合いしたら町が壊れるんですけど？
んで、僕もその後カミコロコースなんですけどっ？？
……ん？ 先輩のことだし、もう彼の特徴的なシルエットでバレてるだろって？
いやいやそれは心配いりませんよ、奥様。あのね、一応ね、僕たち以外には幻覚で全くの別人に見えるようにしていますのよ。
後付け設定？
いや違うから！！ 言うタイミングなかっただけだから！！
ちなみに最初は会わないだろってことで特徴となる部分だけごまかしてたんだけどね。
骸のヘタが……ぶふっ、思い出しただけで笑いが……っ！
「……A？」
うおっと、笑ってる場合じゃなかったわ。
恭弥先輩との距離はもう100メートルもなかった。
……さて、どうしようかな？
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作者名：夢うさぎ | 作成日時：2019年5月3日 19時
