前世の記憶を持った異能探偵！

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side月詠子

さて、まあ童に機械作業が無理なのはわかっておったし。今ならできる気がするとか期待したわけじゃないし。

次は…おお、あれは黒江じゃ。
何やら電話で話しておるなあ。さっきまで童と飲んでおったのが嘘のようにハキハキ喋りよる。

『………で…の…が……ねが……です……』

「何だッて、それじゃあアンタ………ッてのかい」

『……の…は……』

何やら取り込み中のようじゃのお。

というか童そろそろ疲れてきたんじゃけど。次の不動で最後にするかの…

不動はデスクで大量の書類と格闘しておるようじゃ…うん、童の出る幕ではないな！やっぱり童の役目は酒盛り…

「ああ月さん、ちょうどよかった。この書類なんだが、あとこの部分を書き込んで判子を押すだけなんだ。すまない、もし良ければ手伝ってくれないか。ああ、いや、もし暇なら、で良いんだが…」

やめるんじゃ不動、そんな捨て犬のような表情をするんじゃないわい！放っておけないじゃろうが！童書類大嫌いなんじゃよ…！

「あ、大丈夫だ。月さんに任せるのは手書きのだけだから安心してくれ」

そうじゃない、そういうことじゃないんじゃよ…！ああ、だからその純粋な眼差しをやめるんじゃ…！
ああもう、仕方がないわい。手伝っちゃる！

「本当か？有難う月さん、俺の味方は月さんだけだ…！！」

いや、あれじゃぞ。なんかこう、童の中のやる気が突然あふれ出したのじゃ。断じて不動の仔犬の様な顔にくらっときたわけじゃないぞ。断じてじゃ！

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