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午後4時、夕日がガラスごしに柔らかく室内に影絵を描く。

_古来より、失われた命の蘇りとは人類の夢でした。なぜならすべての命には限りがあることはもはや覆しようのない事実だからです。
けれど、もし。それができる力があったとしたら。そうすることで、一人の女性の笑顔が救われるとしたなら。

_誰も死なない。死ななければ、誰も悲しまない。それこそ正義であるところの探偵社員として真っ先にするべきことだったのでは。

すっかり騒がしくなった旅館の一室で、しおらしく容疑者Yは語る。
しかし、不動は知っている。こいつらがそんなに真面目ならば、俺がここまで苦労している筈がないのだと。
で、本音は?

_なんで休暇に来てまで働かなきゃいけないんですか。事件自体なかったことにしましょうよ

不動は一つ特大の溜息をつくと、山吹の襟首を引っ掴んで押し入れに投げ込み、5重に南京錠をかけて封印した。





それよりも少し前。すぐに駆け付けた警察の先遣隊とやらに瀬川が連れていかれた直後。
不動は社員を集め、今の状況について手短に説明した。
「・・・と、いうわけだ。
すまない、廣瀬の入社祝いのはずが、こんなことに・・・」

本当に何故こうなった。
目の前の社員たちに合わせる顔がなくて、不動は下を向いた。
不動は瀬川のすべてを知っているわけではないが、それでも殺人を働くような輩ではないということだけは言える。だが、こうなってしまった以上は仕方がない。
不動は苦虫を噛み潰したような顔で続ける。

「彼女_美桜さんは瀬川が犯人だというが、俺は・・・瀬川はそんなやつではないと信じている」
信頼できる、確たる証拠はない。現場を見ていたわけでも、アリバイを証明できるわけでもない。
だが、それでも。此れだけは譲れないのだ。
なぜなら、
「俺たちは仲間だからだ」

仲間。なんと薄い言葉か。
なんと抽象的な言葉か。幾人の人間がその言葉の前に散ったのだろう。
あやふやで曖昧なそれを、信じている者は世界に何人いるのだろう。
笑われるだろうか。しらけるだろうか。それでも、それでも。

「俺は、瀬川が無実である証拠を掴む。そして、奴と帰る!」
それでも、構わない。もしもそれが薄い雲のような幻想だったとしても、きっと見事につかんで見せよう。俺なら、いや。

「_協力してくれ!」
不動は頭を下げる。大丈夫だ。大丈夫、大丈夫。だって、きっと。

「勿論!」
そういったのは誰だっただろう。
俺たちなら、きっとできる。

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ラハル - アノさん» ありがとうございます!他の作者様の素敵な文に負けがちですが精一杯やらせていただきますのでよろしくお願いします!! (2017年3月5日 22時) (レス) id: a67c8f74a0 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - アノさん» お褒めに頂き光栄です(*´∀`) 更新遅れてますが頑張りますね(^o^ゞ (2017年2月24日 20時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
アノ - 凄く楽しく見せてもらっています!凄くこの作品好きなので更新頑張って下さい!応援しています! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 09388b2c82 (このIDを非表示/違反報告)
ラ八ル(プロフ) - 花園イリアさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!これからも頑張るので宜しくお願いします!! (2016年11月25日 22時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» 有難う御座います! ご期待に添えるように頑張りますね(*´ω`*) (2016年11月22日 9時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神羅 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年9月5日 18時

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