…05 ページ29
「はぁ………」
証拠とにらめっこをしながら廣瀬はため息をついた。
(だめだ……全くわからない………)
と言うか何故自分はここまで悩まなければならないのだ…探偵社に入りたいなどと言った覚えはないし、第一入る理由がない。
(あの人達はなんでここまで僕を入れたがるんだ…?)
「はぁ……………」
またもやため息をつく廣瀬。だれか助けてはくれないかと周りを見渡すと、不動と目が合う。が、すぐに逸らされ、視線をパソコンに戻される。
(自分一人で解かなければ入社試験にならんからな……)
カタカタとパソコンで書類をまとめながらそんなことを考える不動。実を言うと不動も助けたいのは山々なのだ。だが、それでは意味がない。そして自分の計画に反する。
(俺の計画帖では、廣瀬はきっと事件の真相に辿り着くはずだ。それまで野暮なことはするまい……)
「あ、あの…不動さん…………」
弱々しい声でこちらに呼びかける廣瀬。
「はぁ………なんだ。」
ため息をつき、パタンとパソコンを閉じる不動
「これって…………どういう意味なんでしょうか……?」
おずおずと訪ねてくる。不動は自分の眉間にさらにシワがよるのを感じた。
「何故俺に聞く」
「い、いえ……近くに居たので………」
なんだその理由は…俺が暇そうだったとでも言うのか……←
「ッチ……仕方ない…………」
そう言うと不動はおもむろに立ち上がった
「俺の手に触れてみろ」
「………………へ?」
いきなりの発言にキョトンとする廣瀬。
「早くしろ!」
「あ…は、はい!」
差しだされた不動の腕に遠慮がちに触れる廣瀬。すると、ふわりと自分の体が宙に浮いた。
「う、うわぁ!!!」
そのまま地面に叩きつけられる。かと思いきや、ギリギリのところで支えられた。
「ひゅ〜♪流石だねぇ不動ちゃん」
ソファで月と飲んでいた黒江が口笛を吹く。廣瀬はなのが起こったのか分からず、未だにパニック状態だ。
「茶化すな黒江!……………分かったか廣瀬。」
「な、なな何をでしょう?」
不動に支えられたまま廣瀬が答える
「視点を変えろ。美影にも言われただろう。[ちがう見方をしろ]と……俺は貴様に*触れろ*といった。だが、それだけの意味とは限らん。見方を変えるんだ……さすればおのずと答えは見えてくる……」
真っ直ぐに廣瀬の瞳を捕らえながら言い終えるとフンッと鼻を鳴らし不動は仕事に戻った
20人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「募集企画」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ラハル - アノさん» ありがとうございます!他の作者様の素敵な文に負けがちですが精一杯やらせていただきますのでよろしくお願いします!! (2017年3月5日 22時) (レス) id: a67c8f74a0 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - アノさん» お褒めに頂き光栄です(*´∀`) 更新遅れてますが頑張りますね(^o^ゞ (2017年2月24日 20時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
アノ - 凄く楽しく見せてもらっています!凄くこの作品好きなので更新頑張って下さい!応援しています! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 09388b2c82 (このIDを非表示/違反報告)
ラ八ル(プロフ) - 花園イリアさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!これからも頑張るので宜しくお願いします!! (2016年11月25日 22時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» 有難う御座います! ご期待に添えるように頑張りますね(*´ω`*) (2016年11月22日 9時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ