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「午前零時の神隠し事件」後日談 ページ24

「戻ったよ〜、不動ちゃん」

「やっと帰ったか」

「ひどい目に合いました……」


不動は、一段と疲れの色を見せる瀬川に、ご苦労だったな、と言った。


「あれ? 美影ちゃんは何処だい?」

「知らん。携帯も繋がらない。自宅にも居ない。
全く、奴は何処をほっつき歩いている……」





廣瀬は目を閉じて考えていた。
いや、正確には夢の中で考えていた。
真っ白の空間。

何故、僕は此処にいる。
何故、僕は寝ている。

記憶の糸を掴もうとするが、何も思い出せない。
ただただ、自分を憎んでいたことしか思い出せない。


ーー世界が憎い
ーーそれよりも、自分が憎い
ーーそれならば、壊してしまえ……!


そこまで思い出して、目を覚ました。


「やあ、廣瀬君。お目覚めかい? おはよう」

「ぎゃあああぁぁぁぁ!!」


探偵社に廣瀬の悲鳴が響き渡る。


「何でそんなに驚くのだい?」

「驚くに決まっているでしょ! 何をやっているんですか!?
てか、何処ですか!? てか、貴女は誰ですか!?」

「一度に沢山質問しないでくれ給え」


答えられないだろう? とその人物が言う。


「先ず、何をやっているか。異能で逆さ吊り。
次に、此処は何処か。探偵社の医務室。
最後に、私は誰か。私は美影神羅。探偵社の調査員だよ」

「いや、答えられてるじゃないですか。
それに何で異能で逆さ吊りなんですか。多大なる無駄遣いですよ」


美影は異能を解除して、スタイリッシュに床に足をついた。
そして、ベッドのカーテンを開け、質問に答える。


「逆さ吊りなのは私の至福の時間だから。
それに、異能で労力を使うわけでもあるまいし。支障無し」


美影は親指を立ててドヤ顔をした。


「おい! 何の悲鳴だ!?」

「やあ、不動君」

「美影、貴様ぁぁぁああ! 何故医務室に居るのだ!!」

「廣瀬君の質問に答えてた」


不動が怒鳴っても、けろりと、さも当たり前のように答える。
何なんだこの人達は、廣瀬は思った。


「不動ちゃん! 美影ちゃん! 遊んでるところ悪いけど」
「遊んでなどいない!!」

「市警から殺人事件の依頼だよ!」

「判った」


美影は廣瀬に視線を送る。
そして、決めた、と言って手を叩く。


「これを廣瀬君の入社試験にしよう!」



「はい?」

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ラハル - アノさん» ありがとうございます!他の作者様の素敵な文に負けがちですが精一杯やらせていただきますのでよろしくお願いします!! (2017年3月5日 22時) (レス) id: a67c8f74a0 (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - アノさん» お褒めに頂き光栄です(*´∀`) 更新遅れてますが頑張りますね(^o^ゞ (2017年2月24日 20時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)
アノ - 凄く楽しく見せてもらっています!凄くこの作品好きなので更新頑張って下さい!応援しています! (2017年2月24日 20時) (レス) id: 09388b2c82 (このIDを非表示/違反報告)
ラ八ル(プロフ) - 花園イリアさん» ありがとうございます!とても嬉しいです!これからも頑張るので宜しくお願いします!! (2016年11月25日 22時) (レス) id: dcc66ec7ef (このIDを非表示/違反報告)
神羅(プロフ) - 花園イリアさん» 有難う御座います! ご期待に添えるように頑張りますね(*´ω`*) (2016年11月22日 9時) (レス) id: a22dd21ad8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神羅 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2016年9月5日 18時

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