地獄先生ぬ〜べ〜＊転校生のあの子は陰陽師!?＊

Act,38 ページ40

あ「……裕樹兄様の、最期の手紙…………。」


Aは手紙を広げ、黙読した。
そこに書かれていた内容は、驚きを隠せないような文字ばかりだ。


《愛しい妹、Aへ
君が今、この手紙を読んでいるなら無事に渡ったみたいだね。そしてこの世に、僕はいないだろう。
未来を見る力ってのも、いい事ばかりじゃないね。
僕と刹羅ははぐれてしまったから、正直彼の生死は明らかじゃない。刹羅だけは未来を見る力が除外されているから。
さて、A。君には妖封じの具として扇と弓矢があるね。特に退魔の弓矢は君にしか扱えない代物だ。知らなかったでしょ？君は近衛兄弟の中でも霊力が強いから……。きっと君は、「奴」を封印どころか滅せられるだろう。根拠はないけれど、そう思ってる。そして近衛家の「呪い」を解いてくれる事を願うよ。
今の君には頼りにしてる霊能力者と手紙とある物を託した雪女。そして、君を信じてくれる仲間がいる。
だから逃げないで。どれだけ怖くても。現実から目を反らさないで。
そういう訳だから、まだ「こっち」に来ちゃダメだよ？君が天寿を全うしてから「こっち」に来て、話を聞かせてほしいな。
最期まで妹任せなダメ兄貴でごめんね 近衛裕樹》


あ「裕樹兄様ああぁぁあぁあああぁあッ!!」

ゆ「Aちゃん……。」

ぬ「この手紙……本当に未来を見る事が出来たんだな。(でも……「奴」とか「呪い」って何なんだ…………？)」


鵺野は手紙を見ながら、疑問に思う。
だが今、それを聞けるようなタイミングでもなかった。


あ「裕樹兄様からの…最期の贈り物………。」

ゆ「大丈夫？Aちゃん…………。」

あ「ありがとう、ゆきめさん。大丈夫。」


Aは軽く深呼吸して、布に手を伸ばす。
そして、ゆっくりと布の結び目をほどいていく。


あ「(裕樹兄様が、最期に私に託したのは……。)」


そして、最後の結び目がほどかれて、中身が明らかになる。
中に入っていたのは…………。

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