第303話 ページ9
ガチャッ
「お疲れ様でーすっ。」
俯いているAの手を引いて、チーノは自分達の控え室へと入った。
控え室の中には、観客席にいるしんぺい神・兄さん・エーミール・オスマン以外が揃っていた。
「ん？チーノ、観客席におったんやないんか？」
「や、そうなんすけど･･･」
チーノはコネシマに答えながら、後ろにいるAをチラリと見る。
「＿！A？」
椅子に座っていたゾムがAを見て、ガタッと立ち上がってAの元へすぐに行く。
「どうしたん？何かあったん？」
ゾムはしゃがんで、俯いたままのAを見上げて訊ねる。
それを見て他のメンバーも、Aの様子がおかしい事に気付いて注目する。
「･･･っ･･･。」
Aは少しだけ口を開いたが、またキュッと口を噤んでしまう。
その表情はとても悲しげで、顔を顰めている。
「･･･チーノ。何があってん？」
ゾムはAから、チーノへと視線を向ける。
「それが･･･コロシアムの前に人集り出来てたんですよ。
何かと思えば王族がおって･･･。」
「王族･･･？」
チーノの話を聞いて、ゾムは何かに気付いてまたAを見る。
「･･･A、とりあえず座ろか？」
ゾムが訊ねると、Aは小さくコクンと頷いた。
今度はゾムに手を引かれて、Aはゾムが座っていた椅子に座る。
「怖い事あったん？」
椅子に座っているAの前で、ゾムはしゃがんでAに訊ねる。
Aは俯いたまま、小さく頷いた。
「チーノが言うとった、王族の奴が原因？」
ゾムがまた優しい声で訊ねると、Aはまた小さく頷く。
「･･･A、その人の事知っとるん？」
ゾムがそう訊ねると、Aは少し顔を上げた。
ゾムが見たAの顔は、泣きそうな、何かに怯えている表情をしていた。
「･･･ゆ、めで･･･見た･･･
師匠、の･･･お兄さんっ、が･･･。」
「･･･！」
Aの言葉に、ゾムは確信を得た様に目を見開いた。
「･･･安心しぃ。
A、出番まで窮屈でなければ此処におったらええ。
チーノ真っ直ぐ此処に来たのナイスや。」
「いえいえっ。」
ゾムに言われて、チーノは照れくさそうに笑った。
「･･･ロボロ。外の様子は見れるか。」
「あいよー。」
グルッペンに言われて、ロボロは返事をして小さい機械を机に置く。
ロボロが機械の操作をすると、すぐに空中に映像が出現する。
その映像には、コロシアム前にいる銀髪の男が映っている。
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眼目夢子(プロフ) - あっちさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、よろしくお願い致します！ (2021年11月18日 22時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あっち - 神作品ありがとうございます！とっても！面白かったです！ (2021年11月18日 21時) (レス) @page39 id: 3049e8ef9f (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - Ａさん» コメントありがとうございます！自分では面白いのが分からないので、とても嬉しいですっ！！これからも続くのでよろしくお願いします！！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ(プロフ) - １の方から読ませて貰いました！物語の一つ一つが面白くて、とても好みです！コメント失礼しました！！！ (2021年11月12日 17時) (レス) @page6 id: 7f7dc14b65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年11月11日 4時
