第320話 ページ26
「ハーッ、ストレス解消っ。」
＿数分後、トントンは無邪気な笑顔で嬉しそうにそう言った。
「･･･トン氏･･･下の光景と合ってないゾ。」
「気のせい気のせいっ。」
笑顔のまま返事をするトントンに、グルッペンは苦笑する。
トントンの足元には、大量の赤い液体が広がっている。
フード集団はもう誰一人顔を上げる事はなく、地面に伏せている。
「えーっと、まとめると･･･？
〈パラディ〉の国王コンフュ・パラディが雇い主。
元々"囚人コロシアム"におったAがいると、雇い主が聞いた。
やからこの"実力大会"に来て、Aを連れ戻そうとしたと。
作戦は完璧やったんやろうけどな〜。
でもお前等雑魚やってんな〜、こ〜んな"魔道具"使ってんにな〜。」
そう言ってトントンが抓む様に持っていたのは、短剣の様なものだった。
「バリア壊す用の魔道具やねコレ。
裏の人間が使っとるみたいやなぁ。
･･･あ、もう聞こえてへんか。せやったせやった。」
トントンは短剣を握り、力をグッと込めると、硝子が割れる様な音を出して短剣はバラバラに砕け散った。
「･･･ふむ。Aにはどう説明しようか。」
「え、グルさんにも気遣いとかあってんねんな？」
「そろそろソレ止めないか？トン氏？？」
「あーっ！俺もやろうと思っとったのに！！」
「あ、ヤベ。」
走って戻って来たゾムが、悲しそうな顔をして倒れているフード集団を見る。
それを見て、トントンは真顔になった。
「トントン〜！
何で俺の分残してくれなかってん！？」
「す、すまんゾム･･･。俺も楽しくなってん。」
「A送れたしええけど･･･。」
トントンに答えるゾムは、少しムスッとしていた。
「あ、分かっとると思うけど"実技大会"中止やって。
個人戦初戦で終わったわ･･･。」
「まーそうでしょうね。
A対グルッペン見たかってんやけど･･･。」
悔しがるゾムに、トントンも残念そうに話す。
「んで？A狙っとったん？」
「せやで。
やからゾムの分もやっといたっ。」
「ありがとっ。」
「(だから足元の光景と合ってない･･･)」
キャピキャピしているトントンとゾムを見ながら、グルッペンは内心ツッコミを入れた。
「･･･ほら、早く戻るぞ。」
「「はーい。」」
グルッペンが歩き出し、トントンとゾムはフィールドを後にした。
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眼目夢子(プロフ) - あっちさん» コメントありがとうございます！まだまだ続きますので、よろしくお願い致します！ (2021年11月18日 22時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
あっち - 神作品ありがとうございます！とっても！面白かったです！ (2021年11月18日 21時) (レス) @page39 id: 3049e8ef9f (このIDを非表示/違反報告)
眼目夢子(プロフ) - Ａさん» コメントありがとうございます！自分では面白いのが分からないので、とても嬉しいですっ！！これからも続くのでよろしくお願いします！！ (2021年11月12日 17時) (レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
Ａ(プロフ) - １の方から読ませて貰いました！物語の一つ一つが面白くて、とても好みです！コメント失礼しました！！！ (2021年11月12日 17時) (レス) @page6 id: 7f7dc14b65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年11月11日 4時
