【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語6【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ16)

今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:40,428 hit

第261話ページ16

「ッハッハッハッハ！！選択肢があるのに俺を選ぶか！！」
固まっていたグルッペンは、肩を揺らして大声で笑った。
「え･･･何かおかしかったですか･･･？」
大笑いをしているグルッペンを見て、Aは少し困惑しながら首を傾げて訊ねる。
「ッハー･･･！こんなに笑わせてくれるとはな！
　他はSランクと聞いただけでたじろぐのに、まさかリーダーである俺を指定するとは！！
　やはり君を誘って正解だった！！」
「は、はあ･･･。」
少し興奮気味のグルッペンに、Aは少し戸惑った。

「いいだろう。俺が相手をしよう。」
「えー！俺とは！？」
「明日にでも相手してやる。今日はAと戦闘する。」
まだ少し不安げなゾムを見てから、グルッペンはAを立ち上がらせる。
「では行こうか。」
「はい･･･。」
グルッペンの後について行き、Aはまた初期位置に立った。
「此処まで戦ってみて、君の経験は積めたか？」
「･･･ええ･･･。皆さんが幹部？なのも、納得出来る強さでした･･･。」
「そうだろう。俺達の国は戦争国家。
　“本物の戦場”を幾度となく経験している分、
　他のクエスターよりはランク以上の強さがあると思っていい。」
「･･･総統様は、そうなると･･･大分強いんでしょうね･･･。」
「そうだなあ。しかしコレは君にも言えるさ。
　Aランクのクエストについて行っても、大した怪我もなく帰って来ているしな。」
「･･･そうでしょうか･･･。」

「始めー！！」
　ゾムの合図が聞こえて、恐らく今日最後であろう訓練が始まる。
「さあ、始まったゾ。」
グルッペンはニヤリと笑い、Aの出方を窺っている。
「(私から行けって事なんだろうな･･･)」
Aはそう思い、黒い短剣を出現させてグルッペンへ走る。

　キンッ！！
Aの短剣は、グルッペンが瞬時に出現させた黒い杖によって防がれた。
「流石に体力の消耗が激しいか？
　“見定め授業”の時に刀を出していただろう？」
「･･･そうですね･･･。」
Aは一度グルッペンから離れて、再度突っ込む。
グルッペンはまた杖で攻撃を防ぎ、押し返す。
Aは少し体勢を崩すが、すぐに体勢を立て直してまた短剣を振るう。
グルッペンとAが攻防を続ける中、グルッペンは平然と会話を続ける。
「短剣の身のこなしは、ゾムとのクエストで身につけたモノだな。
　振り方がゾムに似ている。」
「･･･ゾムさんが、教えてくださってるので･･･。」