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第260話 ページ15

「お疲れ様!疲れてへん?休憩する?」
ゾムはひとらんとAが来てから、Aに訊ねる。
「ちょっと・・・水分補給をしても・・・?」
「おう!ええでっ。」
ゾムにそう言われてから、Aはグラウンドに置いていた水筒を持つ。
そして中身を飲んでいると、しんぺい神がAの傍に来た。

「Aちゃん。怪我してるでしょ?」
「・・・イエ・・・。」
「はーい足と手見せようねー。」
片言になるAを強制的に座らせて、しんぺい神はAの怪我の手当てを始める。
「コネシマと戦った時に掠り傷、大先生と戦った時に足に傷。
 さっきのらんらんとの時にはー・・・お腹にも切り傷かなー。」
しんぺい神は治癒魔法で、どんどんとAの怪我を完治させていった。
Aが水分補給をしている間に、しんぺい神による手当てが終わった。
「流石にジャージは直せないや。」
「それは俺がしよう。」
「わっ・・・。」
Aは後ろにいつの間にかグルッペンがいて、少し驚いたが水筒は落とさなかった。
グルッペンがAの頭にポンッと手を置くと、Aのジャージが新品同様に直った。
「ありがとうございます、グルッペンさん・・・。」
「ああ。」
グルッペンは短く返事をすると、トントンとゾムを手招きした。

「さて、後一戦して貰いたいんだが・・・いけそうか?」
「はい・・・。」
「では俺かトントンか、ゾムかペ神か選んでくれ。」
「随分ハードやな!?」
話を聞いていた鬱が、驚いてグルッペンに訊ねる。
「Aランクと戦ったんだ、Sランクと戦ってもいいだろう。」
「や、そうやけどな?Sランクと戦う事そうそうないで?」
「ひとらんを倒したんだ、俺等と当たる可能性はある。」
「まだ本番まで時間あるし、後日でええんやない・・・?」
「何故そこまで気にする?他が同じ状況なら気配消すだろお前。」
「やー・・・Aちゃん女の子よ?俺等みたいな野郎と違うしさー・・・。」
「女性だからと侮るな。いつでもお前が優位に立てる訳じゃないぞ。」
グルッペンに言われて、鬱は罰の悪い様な顔をした。
「さ・・・。話している間に決まったか?」
グルッペンは鬱からAに顔を向けて、Aに訊ねる。

「はい・・・。 グルッペンさん、お願いします・・・。 」
Aがそう言うと、周りがピシッと固まった。
「(・・・あれ?何か可笑しい事言った??)」
Aは固まっている皆を見て、首を傾げた。

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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年11月3日 16時

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