＃299 ページ49
「まあ、そんな所。
そしたら緑色さん達が声かけてくれてん」
ショッピはAに答えながらも、傍に行って聞きやすくさせる。
「大先生とコネシマさんとゾムさんは…
元々3人でクエスト行ってて、その帰りやねん」
「！え…」
ショッピの話を聞いて、Aは其方を見る。
「やっほ〜らっでぃ」
「クエスト行ってたらしいじゃ〜ん？
3人で何処行ってたの？」
「ゾムが勧めて来た、ゾンビ犬退治やで！
数多くて消耗戦入るかと思ったわー！！」
「しかもなぁ。
なんか青っぽいっちゅーか、モヤ？ぽかったねん」
「それなんて野犬？？
なんかゾンビと違うもん討伐してない？？」
「え〜、気になる〜！」
「コンちゃんがノリ始めた！止めろ！！」
「は〜い、ストップストップ〜」
…ショッピが言っていた事は本当らしく、鬱達は少しだけ乱れていた服を直して、話をしている。
その話を聞いていたコンタミが、ワクワクとしながら話に混ざろうとし、きょーに止められている。
「…な？」
ショッピが彼らからAに、視線を戻して聞き返す。
Aも彼らから視線を戻して、コクンと頷いた。
「クエストって…私服で行くんですね？」
「ん、まあ私服でも動きやすい服やな。
あと躰にしっくりくる服」
「…なるほど…」
ショッピの話を聞きながら、Aは再度鬱達を見る。
＿＿＿鬱はワイシャツに制服のズボン、コネシマはTシャツにハーフパンツ、ゾムはいつもの緑パーカーに黒の動きやすそうなズボンと言う格好である。
「…制服って、動きにくくないんですかね…？」
「まあ大先生は後方支援型やから、そこまで動かへんし。
撤退する時本領発揮するけど」
「？仲間を優先で撤退させるとかですか…？」
「…まあ…」
目を逸らして答えるショッピに、Aは首を傾げた。
「(仲間逆に置いて行くんよなぁ…)」
「…ネェネェ、Aちゃん」
「！わっ…？」
鬱達を見ていたAは、急に後ろの宙に現れる緑色に驚く。緑色はそれを見守りながら、Aが見上げるのを待っていた。
「は、はい…」
「パソコン、買ウ？」
「え…えっと…お金を、自分で貯めてから…」
「フーン？
…イイクエスト、紹介シヨウカ？
初級デモ稼ゲルクエストアルンダ」
「…？どんな…？」
「僕ラノオ手伝イ」
「…え…？」
きょとんとして、緑色を見上げるA。
その表情が真新しいのか、緑色はニッコリと笑った。
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
