＃298 ページ48
「ソウダヨー」
ふよふよと浮いたまま、緑色は袖に隠れた片手をAに振って答える。
「えと…緑色、さん…？」
「みどりダヨー。らっでぃノ妹チャン」
「違う違う違う。
小さい頃から仲良いだけだって」
緑色の発言にらっだぁは首を振りながら、Aの両耳から手を離す。
「ンー？
オ世話シテタンデショ？ダカラ妹カナッテ」
「してたけど！妹ではないってば。
俺の仲良い幼馴染みたいな感じだってば」
緑色と話をするらっだぁの傍で、Aは心を落ち着かせつつ、二人を見る。
「あ、えっと…こんにちは…？」
「コンチハー」
少し緊張しながらAが挨拶をすると、緑色はゆるく挨拶を返す。
「な〜んで此処にいんの〜？
普段自室いるかクエストチラッと行ってるでしょ〜？？」
「出カケル気分ダッタンダモーン。
らっでぃハナンデ、妹ト一緒ニイルノ？」
「もうその呼び方変える気ないね？？
俺は偶然Aと会ったの〜。
だから一緒にショッピング中〜」
「フーン？」
らっだぁからの話を聞きながら、緑色はAを見る。
Aは戸惑いながら、らっだぁと緑色を交互に見ていた。
「ネェ、パソコン買ウノ？」
「へっ…？」
緑色に訊ねられて、Aは目を丸くさせる。
「か、買う、予定…です…いち、おう…」
「らっでぃヨリ、俺ノ方ガ詳シイヨ？」
「…え…？」
「みどり〜？？？」
緑色の言葉に、Aは更に目を丸くさせる。
らっだぁは笑顔で怒りながら、緑色を掴もうとする。
「キャ〜〜〜ッ」
緑色はクスクスと笑いながら、ふよふよと浮いて器用に、商品にぶつからない様にしながら逃げ回る。
「！あ…！」
店の出入口側から声が聞こえて来て、Aは其方を見る。
「…待って〜ぇ…？
なぁんで、こういう時に揃ってんの〜…？？」
らっだぁも其方を見て、頭を抱えて呟いた。
＿＿＿出入口から来たのは、他の【運営】メンバーと、何故か鬱・コネシマ・ゾム・ショッピだった。
「呼んでみちゃったっ」
「『みちゃったっ！』じゃないよコンちゃん？
何でそこ4人を呼んだ？」
「「「暇やってん」」」
「鬱兄さんに声かけて貰ったんで来ました」
鬱・コネシマ・ゾムが声を揃えて言い、ショッピはペコッとらっだぁと緑色に頭を下げてから、そう答えた。
「み、皆さん…お出かけ、してたんですか…？」
Aは現れた人達に、戸惑いながら訊ねる。
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
