＃255 ページ5
「A〜！
私服やー！かわええっ！！」
「おー。
私服でも長袖なんやなぁ」
A達がトントンの部屋に到着してから数分後には、他のメンバーが全員入って来た。
15名も入れば、広い筈の部屋も少しばかり狭く感じる。
「かわええねぇ〜、Aちゃんっ。
自分で選んだ服？」
鬱はニコニコとしながら、ソファーに座っているAの傍に行く。
「あ、えっと･･･そう、ですね」
「へ〜っ。
オシャレさんやなぁっ」
「Aちゃん、
自分で見に行ったりせーへんって。
やから今度、
一緒に買いに行かない？
ってお話してたんよ」
「！へ〜っ？
僕も行こっかな〜っ」
「えー？
兄さん連れてくから嫌っ！」
「マンちゃん！？」
「･･･先に、
行くクエスト決めからっすか？」
満面の笑みで断るオスマンと、それに驚く鬱、そして戸惑って二人を交互に見ているA。
それを見ながら、ショッピはトントンに訊ねる。
「あー、うん。
それからやろかなとは思っとる」
トントンは苦笑いをしながら、彼に答える。
「やってさ、A」
「っへ？え？」
ショッピがAに声をかけると、オスマンと鬱に買い物に誘われていたAは、戸惑ったまま彼の方を見る。
「先に全員で行くクエスト決めて、
それに行くメンバー決めて、
んでその後に遊ぶ」
「な、なるほど･･･？」
「今日何で遊ぶんー？」
「課題終わっとらん奴は
先にそっち終わらせてからやで？」
「えっ・・・」
「Aちゃん終わったー？」
「え？あ、お、終わってますね･･･。
予習はしなきゃですけど･･･」
「真面目や・・・」
オスマンに訊かれたAが答えると、鬱はポカンとしてAを見る。
「先にゲーム出来るかもな」
「げ、ゲーム･･･」
「Aちゃんゲームするん？」
「ゲームよりは、
小説とか読んでますね･･･」
「・・・じゃあ、
好きなゲーム見つかるかもね〜っ。
トントン、
むっちゃゲーム持っとるから」
「は、はいっ･･･！」
オスマンに言われて、Aは戸惑いながらも返事をした。その表情は、何処か楽しみにしている様子が見られる。
「(小説とか読んでるって話に、
エミさんが反応見せてたけど･･･。
一人だけいい思いは
させへんからな〜っ)」
「(･･･オスマンさんにバレてる･･･。
俺にもええ思いさせてぇや・・・)」
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
