＃290 ページ40
「…シャオロンさん…。
この方々、有名なんですか？」
Aはシャオロンの服の裾を弱く引き、彼に訊ねる。
「ん？ああ。
SNSで有名な人らやで。
投稿する奴大体派手やから人気なんよ」
「…投稿…」
「あら、SNS見ない子？」
ナミはキョトンとしながら、シャオロンの後ろに隠れたままのAに訊ねる。
「…はい…」
「そうなのね〜？
私たち、よく写真あげてるのよっ！ほら！」
Aが返事をすると、ナミが自分の携帯を見せる。
＿＿＿ナミの携帯には、何枚もの写真が載せてある。
女子会の様子だったり、数名と遊びに出ている様子…主に海に行っているらしい。
「…キラキラ…」
「エフェクトとかもあるからね〜！
もっとあるわよ〜？」
Aが興味を持ったのを確信し、ナミはニコーッと笑いながらジリジリと近づく。
「…男子だけだと聞いていたけれど…」
「！ロビン？」
「・・・」
横から声が入り、3人は其方を見る。
横から入って来たのは＿＿＿黒髪の女子だった。
「ごめんなさいね、話の途中に。
私はニコ・ロビン」
黒髪の女子＿＿＿ロビンは、微笑んで自己紹介を手短に済ませる。そしてすぐに、不思議そうな顔でAを見る。
「貴方達、
【wrwrd】って言うグループでしょう？」
「…俺らもそんな有名なってたん？」
ロビンに訊かれて、シャオロンはニッコリ笑いながら聞き返す。
「そうね、随分強いし暴れ回ってるって有名ね」
「まー別に他での評価はええわ。
んで？俺らが女子連れてたらマズイんか？」
「いいえ？
ただ、珍しいなと思って。
女子を毛嫌いしていたと聞いているのに」
「…けぎらい…？」
ロビンの言葉に、Aはシャオロンを見上げる。
その顔は不安そうに眉を顰めている。
「(毛嫌いしてるなら…
誘ってはいただいたけど…)」
そんな事を考えて、Aはそっと彼の袖から手を離す。
「・・・！」
＿＿＿離した手が、ギュッと掴まれた。
驚いてAが自分の手を見ると、細いがしっかりとしている手が掴んでいた。
「…シャオロン、さん…？」
手のいく先を見ると＿＿＿Aの前にいるシャオロンがいた。
「他の女子っちゅーか…
ちゃんと活動しとる女子は邪険に扱わんわ。
俺らが毛嫌っとるのは騒ぐだけ騒いどる女子。
Aはおとなし系やしー？」
そう言ったシャオロンは、笑っているが真っ直ぐロビンを睨みつけていた。
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
