【d！】巡り廻って6【実況者】 (ページ34)

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＃284 ページ34

Aはチーノに手伝ってもらい、無事にバーガーセットを完食する。
「ありがとうございます、チーノさん」
「いいえ〜？
　お役に立てたなら何よりっ」
Aが礼を言うと、チーノはニコニコと笑いながら答える。
「次何処行こか？
　気になる所行ってええでっ？」
「え…皆さんと、合流しなくてもいいんですか？」
「大丈夫大丈夫！
　オスマンさんも兄さんも、
　まだゆっくりしとるみたいやし！
　服見たいなら連絡するで？」
「い、いえっ。
　先に…自分で、見ます」
「そっかー」

「チーノ〜！！」

「ゲッ、ゾムさぁん…」
「！ゾムさん、エーミールさん…？」
「合流出来ましたねっ」
ゾムがニヤニヤと笑いながら、二人に声をかけて来た。
彼に呼ばれて、チーノは顔を顰めて其方を見る。Aはゾムが来た事に気づき、彼と共にエーミールも来た事にも気づく。エーミールはゾムとチーノの様子を見て、苦笑いをしながら歩いて来た。
「なぁんで合流したんすかー？
　本屋とか行くんやなかったんすかー？」
「ゲーセン行きたなったねん。
　やから誘ったろ〜思ってな〜？」
「ほぉ〜んっ？？」
…チーノとゾムの間に、火花が密かに弾け始める。

「ゲームセンターのお話、
　そう言えばしてらっしゃいましたもんね…？」
「ええ、そうなんです。
　色々あるんですよ？
　カーゲームとか、シューティングゲームとか」
「連れて行ってくださった、
　あのゲームセンターみたいなものですか？」
「それより規模は少し小さいですがね…」
二人が火花を散らしている事に気づいていないのか、Aは別の話をエーミールに振る。エーミールはそれに苦笑いをしつつ、彼女に説明をしてあげる。

「・・・」
「…Aさん？」
Aは話をする中で、別の方をチラリと見る。
それを見てエーミールは、彼女の視線の先を見ながら声をかける。

Aが見ていたのは＿＿＿件の、海軍と思われる人間が入って行った雑貨屋だった。
「！は、はいっ」
「どうしたんですか？何か気になる事でも？」
エーミールは何も知らないフリをして、Aに訊ねる。
「…あのお店に…
　海軍の人が入って行ったんですけど…」
「？軍の方が」
「…全く、出てきてないなって…」
Aの呟きの様な話を聞き、エーミールは視線を時計に向ける。

「(…30分程、出て来てないんか…
　気にせんでええとは思うけど…俺も何か引っかかる…)」

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