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「＿＿＿"正義"と書かれたマントの人が、
入っていったので」
「･･･"正義"マント？」
Aの言葉に、チーノはピクリと眉を動かす。
「あのマントって、
海軍の方々のですよね･･･？
何かあったんでしょうか･･･？」
「･･･何人かで入っていったん？」
「いえ･･･お一人でした」
「･･･ホンマに、マントに"正義"って書かれてた？」
「は、はい」
「(･･･海軍にも、黒い噂はあるらしいがぁ･･･？)」
Aの話を聞いたまま、チーノはずっと店の方を見据える。
「(兄さんが手に入れてる情報･･･
そもそもネットとかでもある、
汚職とかその他諸々･･･。
それがホンマなら、
あの店も絡んどるんやろうけど･･･。
俺らは正義のヒーロー様でもあらへんし、
放っておいてもええけど･･･)」
そこまで考え、チーノはチラリと隣を見る。
＿＿＿Aは不安そうに、店の方を見ていた。数日間の無表情に近い顔からは、打って変わって。不安を全面に出している顔は、初めてだった。
＃279 ページ29
「(･･･そう言やそんな話もあったな〜･･･)」
チーノは自分の携帯を見ながら、微かに眉を顰める。
今チーノとAは、昼食を買う為に列に並んでいる。
昼どきだから混んでおり、何処の食事処も混んでいた。そんな中で二人は話をしていた通り、ハンバーガー屋に並んでいた。
「(デパートの中にまで来る馬鹿がおっても、
警察来るやろうけど･･･)」
チーノはそんな事を考えながら、チラリと隣を見る。
隣ではAが周りを見回したり、目を輝かせながらメニュー表を携帯で見ている。
「(･･･何があっても、
Aだけは守らなアカン)」
チーノの手に、力が込められる。
「ち、チーノさんっ。あのお店って･･･？」
「！んー？どのお店？」
Aが指差す方を、チーノは笑顔を貼り付けて訊ねる。
「あ、あそこですっ」
Aが指し示したのは、小さな雑貨屋だった。2つの他の店に挟まれていて、そのどちらも有名店の為、とても小さく目立たない。店内も暗そうで、何故ここまで怪しそうな店が残っているのかが不思議である。
「･･･雑貨屋やなぁ。
色んなもん売っとると思うで？
何か気になったん？」
「あの･･･あそこのお店に･･･」
「(多分詐欺ギリギリの事しとるんやろうけど･･･)」
入っていったので」
「･･･"正義"マント？」
Aの言葉に、チーノはピクリと眉を動かす。
「あのマントって、
海軍の方々のですよね･･･？
何かあったんでしょうか･･･？」
「･･･何人かで入っていったん？」
「いえ･･･お一人でした」
「･･･ホンマに、マントに"正義"って書かれてた？」
「は、はい」
「(･･･海軍にも、黒い噂はあるらしいがぁ･･･？)」
Aの話を聞いたまま、チーノはずっと店の方を見据える。
「(兄さんが手に入れてる情報･･･
そもそもネットとかでもある、
汚職とかその他諸々･･･。
それがホンマなら、
あの店も絡んどるんやろうけど･･･。
俺らは正義のヒーロー様でもあらへんし、
放っておいてもええけど･･･)」
そこまで考え、チーノはチラリと隣を見る。
＿＿＿Aは不安そうに、店の方を見ていた。数日間の無表情に近い顔からは、打って変わって。不安を全面に出している顔は、初めてだった。
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
