【d！】巡り廻って6【実況者】 (ページ3)

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＃253 ページ3

「トントン〜？入るよー！」
『おーう』
しんぺいが目の前のドアをノックすると、中から返事が帰って来た。

　ガチャッ
「ん、早めに来たn･･･」
扉が開いて、中からトントンが出て来た。
しかし彼は、出て来てから3人の方を見て固まった。
「？と、トントンさん･･･？」
固まってしまった彼を見て、Aは首を傾げる。
「んっふふふ･･･！
　固まってるなぁ･･･！」
「わっかりやっす〜･･･」
固まる彼を見て、しんぺいはケラケラと笑い、兄さんは苦笑いをしている。
「え、あ、ど、どうしました･･･？」
「･･･や･･･何でもあらへん･･･。
　すまん、止めてもうたわ。
　入ってくれ」
「お、お邪魔します」
やっと返事をしたトントンは、顔を赤くしながらもそう言い、3人を部屋の中に招いた。

「あっ！かっわい〜！！
　私服オシャレめう〜っ！！」
「初めて来るAが一番乗りって
　どう言う事なんだか･･･」
「ま、まぁまぁ･･･」

　3人がトントンの部屋に入ると、既にオスマン・グルッペン・エーミールが寛いでいた。
オスマンはAを見ると、立ち上がって嬉しそうに彼女の前に来た。
「お、おはようございます。皆さん」
「ああ、おはよう。
　すまないな。
　トン氏に迎えに行かせたかったが、
　生憎部屋の主だから行かせられなかった」
「あ、いえっ」
「お前は寛ぎすぎじゃい。
　なんで菓子を既に食ってんねん」
「わぎゃっ」
優雅に紅茶を飲みながら菓子を食べていたグルッペンは、トントンから拳骨を喰らって、頭を抑える。
「ぐ、グルッペンさん･･･！？」
「気にしなくていいめぅ。
　さっきから食べすぎてたから」
二人のやり取りを見て、唐突な事に驚くA。
オスマンは頬を膨らませながらそう言い、Aの方に向き直る。

「本当にオシャレめぅ〜っ。
　他にどんなお洋服あるめぅっ？
　他メンバー来る前に教えてっ！！」
「そ、そんなに持ってませんよ･･･？」
「えー？
　オススメの服教えてあげるっ！！」
「え、えっと･･･」
オスマンはAの背を優しく押して、自分が座っていたソファーの隣に座らせる。

「･･･他の方々も、
　この後いらっしゃいます」
エーミールは今までの会話を聞き終えてから、しんぺいと兄さんに声をかける。

「大丈夫でしたか？来る時」
　そうエーミールが、二人に訊ねる。
彼が訊ねたのは、Aの家からトントンの家に来るまでではない。

＿＿＿この家に入ってから、この部屋に来るまでの事である。