＃265 ページ15
「おや？
サバイバル中ですか？」
「ん、エミさん」
数十分ゲームをしていると、エーミールがひとらん・オスマン・Aに声を掛けて来た。
「そう、サバイバル中。
夜になりそうだから、
今山籠りしてるんだよ」
「あ、1マスだけ空けて
外の様子確認をしているんですね･･･」
「家までは間に合わなかったや」
エーミールがひとらんのPCを覗き込むと、どうやら山の中を掘り進めている様子だった。
「あっちは終わったの？
課題まだ終わってない組」
「後少しなので、
私は先に解放されたんですよ」
ひとらんの問いに、エーミールは苦笑いをして答える。
「大変だねエミさんも･･･」
「まあ･･･
皆さんの評価が下がるよりは、
評価維持をしていただたきたいですし」
「俺ら問題児だし、
評価を少しでもよくしておかないとね〜」
「ま、まぁ･･･
これ以上は言わないでおきます･･･」
エーミールが目を逸らして言うと、ひとらんはクスクスと笑った。
「あっ！エミさん終わったん？
やったら合流してよ〜！
木材集め大変っ！」
「骨･･･骨粉･･･」
「Aちゃん、
もう骨集め入っとる･･･」
二人が話をしている事に気づいたオスマンが、エーミールに声をかける。
Aは集中しているのか、ゲームの中で剣を持って、敵キャラを倒しまくっている。
「他のゲームはいいんですか？
FPSとか」
「あー、せやなぁ･･･Aちゃん？」
「！あ、は、はいっ」
オスマンに声を掛けられて、Aは熱中していた事に気づいて、慌てて彼の方を見る。それと同時に、エーミールが来ていた事にも気づく。
「あっ、エーミールさん。
えと、課題の方は･･･？」
「皆さん終わりがけで、
片付けに入ってる方もいるので。
先に様子を見に来たんです」
「な、なるほど･･･。
すみません、オスマンさん。
ど、どうかしましたか？」
Aは慌てて、オスマンの方を見て訊ねる。
「一回、別のゲームしーひん？
これ保存出来るから、また後で出来るで」
「あ、そうなんですね･･･？
じゃあ、別のゲームやってみたいです」
彼に答えたAは、今までよりも少し楽しそうな表情をしていた。
「･･･今日じゃ網羅出来へん位やし、
泊まり込みでやって、
一緒に登校するっ？」
「へ？」
「言い方がなんか、こう･･･」
「何か言うた〜？エミさん」
「いえ、ナンデモ」
「(マンちゃんわざとだ･･･)」
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
