＃264 ページ14
「ん、サバイバルやっとるんか」
「！トントンさん」
Aがパソコンと向き合っていると、トントンが後ろから声をかける。
「短時間で結構操作慣れとるな･･･。
オスマン。
難易度何にしとるん？」
「えー？ノーマル。
そうやないと
リアクション見れへんやん？」
「Sか」
「もっといってええなら、
もっといっちゃうけど？？」
「やめてクレメンス」
ニコッと笑うオスマンに対して、トントンは眉を顰めて断る。二人のやり取りを、Aは不思議そうに眺めている。
「さーて。俺もログインしよー」
「！え」
ひとらんがソファーに座ったまま、テーブルにパソコンを置いて操作を始める。
「マンちゃん。
それマンちゃんのアカ？」
「サブアカ〜。
レ○ムズやし、先入れるんちゃう？」
「おっけー。
A、
最初のボックスあった位置に
戻れる？出来たらでいいよ」
「え、あ、はいっ」
ひとらんに言われて、Aはパソコンの操作に戻る。
「リアルの方が敵怖いし、
なんならこのゲームからゾンビとか
出てるって噂話もあるし」
「え･･･！？
そ、そんな曰く付きの
ゲームなんですか･･･！？」
「大丈夫。
ただの噂話が誇張されただけだから。
ゲーム自体に何の害もないよ」
「そ、そうなんですね･･･」
「ホンマ、
すぐ信じちゃうな〜Aちゃん。
ついからかっちゃうっ！」
「やめてあげなよマンちゃん･･･」
「らんらんも思ってる癖に〜」
「違います〜」
「(･･･仲が特にいいんだな、お二人･･･)」
互いに冗談を言い合って、笑い合っているオスマンとひとらん。
二人とも心から笑っているのが分かり、Aは何故だか、胸が熱くなった気がした。
「よーっし、ログイン完了〜」
「俺もすぐ行く〜」
「？黄色の字･･･？」
「A〜。
ゲームの中で振り向いて〜」
「？振り向く･･･
！？わっ、人･･･！？」
「俺だよ〜」
「え、あ、ひとらんさんっ･･･！？」
「あ、俺も行った〜」
「お、マンちゃんも来た」
「わっ･･･人が増えて･･･！」
「(･･･さっさとアイツら終わらせて、
15人でやるか、マルチ･･･)」
ひとらんとオスマンとの、マルチプレイ始めるA。
その様子が、とても楽しそうに見える。
それを見てトントンはそう決意して、まだ課題をやっているメンバー達の方へと戻った。
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作者名：桜華 | 作成日時：2022年12月1日 13時
