【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ24)

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第119話ページ24

「･･･それで、一体何が？」
　Aの身体を乾かし始めた時、エーミールが鬱とロボロに訊ねた。
「これ、Aちゃんには聞こえへんの？」
「風魔法に内部への防音魔法を加えているので、Aさんには聞こえません。」
鬱がエーミールに確認を取ると、エーミールはハッキリと答えた。

「あんな、俺と大先生でAの事待っとったんやけど･･･全然出て来ぉへんねん。
　それとなんか教室の中の方変な感じやったから2人で入ったんや。
　したら、Aがずぶ濡れになって突っ立っとったねん！」
ロボロが動揺しながら、エーミールに状況を説明した。
「ふむ･･･授業が違うと、どうしても守れませんね･･･。」
「俺釘刺しといたから大丈夫やとは思うけど･･･慢心したらアカンし、皆には伝えとくわ。」
「そうですね。あ、その鞄もついでに元通りにしましょうか。」
「ん。」
エーミールに言われて鬱がエーミールの方に鞄を差し出すと、鞄が淡い光に包まれてずぶ濡れになる前の乾いた鞄に戻った。
「便利やなやっぱ。」
鬱は鞄の中にあった紙束や教科書も元通りになっているのを見て、そう呟く。
「サポート役なんでね、これ位当たり前ですよ。
　ああ大先生、後でAさんに水を掛けた人達の事詳しく教えてくださいね。」
「･･･分かった。」
ニッコリと笑ったエーミールに、鬱は静かに返事をした。

「さっ、終わりましたよAさん。」
「あ･･･ありがとう、ございます、エーミールさん･･･。」
「いえいえ。」
温風が消えて振り返ってお礼を言うAに、エーミールは嬉しそうな笑顔で返事をした。
「乾いたと言っても寒かったでしょう？
　特別に温かい飲み物をご用意します。此処には殆ど人は来ませんから今の時間帯は。」
「あ、ありがとう、ございます･･･。」
「此処なら大丈夫でしょうし、飲み物を持って来るのを手伝って貰っていいですか？」
「あ、俺が手伝うわ。」
そう言ったロボロと共に、エーミールは図書室を出て行った。
「じゃ、2人が来るまでお話してよっか？Aちゃん。」
「はい･･･。」
鬱はAの隣に座って、他愛のない話をし始めた。

「(久しぶりに少しキレてるエーミール見たわ･･･
　アレはあの子達、俺が手を下すまでもなくやられるな･･･無駄に力使わんくて助かるけど)」
Aの話しながら、鬱は考え事をしていた。
「(これでゾムの心配性は増すやろうなぁ、俺も他もやけど)」

「そう言えば、鬱さん･･･髪、直ってますね･･･。」
「･･･チーノか･･･。」