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第118話 ページ23

「もー!遅いで大先生!!」
「女の子に声かけられとってん。」
「全くもう!!」
 先を行くロボロとAに追いついた鬱は、何事もなかった様にヘラヘラ笑う。
「図書室行こう。エーミールが乾かしてくれるやろ。」
「エミさんを便利な物扱いしとらん??」
「気のせいや気のせい。」
鬱とロボロが冗談交じりに、Aを引き連れて階段を降りて行く。
「(・・・こんなに、気を遣って貰えるとは・・・)」
Aは自分を挟む様に歩いてくれる鬱とロボロに、有り難さを感じていた。
タオルが頭から掛けられている為前が見えないが、2人が支えてくれている為階段もスムーズに降りられる。
廊下を歩く時も、2人が手を引いてくれるので、それに従って普通に歩く事が出来た。

○●○●○

「エミさーんっ。」
「(図書室着いたのか・・・)」
ロボロがいつもより小さい声(と言っても常人には普通の大きさ)でエーミールを呼ぶので、Aは目的地に着いたのだと分かった。
「ロボロさん?どうし・・・だ、大先生?と言うかAさん!?」
「流石のエーミールも声出たな。」
 図書室の一番奥側の席で本を読んでいたエーミールが、鬱とタオルを被っているAに気づいて驚きの声を上げる。
「ど、どうしたんですか!?Aさんの鞄ずぶ濡れですし・・・!!」
「詳細は乾かしながらでええ?エーミール出来るやろ?ドライヤー的な事。」
「出来ますけど物扱いせんで貰えます!?と、とにかく此処に座ってくださいAさんっ。」
「は、い・・・。」
エーミールに椅子の1つを出されて、Aはタオルをロボロに返してそこに座った。
「熱かったら言ってくださいね。」
「はい・・・。」
Aが座る椅子の後ろに立ったエーミールは、Aに向けて両手の掌をかざす。

 ぶわっ
「!」
 するとエーミールの掌から温風が放たれ、Aの全身を乾かし始めた。
「(・・・気持ちいい・・・)」
Aは風の温かさに包まれて、目を細める。

 ブワァァァ_
「___?」
「___。」
「___!」

「(・・・?聞こえない・・・何話してるんだろう・・・)」
Aは後ろの方でエーミールと鬱とロボロが何かを話しているのが見えるが、エーミールが放つ温風の音で会話が聞こえない。
「(・・・頭痛、治ったな・・・)」
温かくて心地よくなっている中、Aは先程までしていた筈の頭痛が鎮まっている事に気づいた。
「(・・・まるで・・・フュガスで師匠と暮らしてた頃みたい・・・)」

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作者名:眼目夢子 | 作成日時:2021年10月15日 2時

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