【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ17)

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第112話ページ17

Aの初クエストクリアの翌日。
「今日は一緒に行こうか？A。」
「！わ、たしで･･･いいんですか･･･？」
　朝食が一緒になったグルッペンに言われて、Aは遠慮がちに聞き返す。
「ああ。話をしながら行きたくてな。」
グルッペンがそう言うと、Aは少し嬉しそうに目を丸くさせた。
「一緒に家を出る事が無いからな、Aがグループに加入してから。」
「そ、れは･･･入って、まだ数日･･･ですし･･･。」
「だが、他のメンバーとは一緒に出かけたり学園へ行っただろう？
　後行ってないのは、俺とトン氏とペ神、兄さんだけだろう？」
「(確かに･･･)」
Aはここ数日の事を思い出して、何度か頷いた。
「それが少し羨ましかったんだ。だから今日は今言った4人と登校しよう。」
「は、いっ･･･。」
Aの何処か嬉しそうな声に満足して、グルッペンは甘い甘い珈琲を飲んだ。

「(･･･よく考えると･･･SランクとAランクの方々と登校では･･･？)」
学園に行く支度をしながら、Aは自分の部屋でハッと気づく。
「(それは目立つのでは･･･昨日より遅めだし、生徒が登校している中では･･･
　･･･目立つのは、もう仕方がないとして･･･でも、リーダーの命令は絶対だしね･･･)」
Aは覚悟を決めて、鞄に必要な物を入れて部屋を出た。

「準備、出来ましたっ･･･。」
「ん、オッケー。」
　リビングでは既にグルッペン・トントン・しんぺい神・兄さんが制服姿でくつろいで待っていた。
Aが来たので立ち上がり、5人は家を出た。

○●○●○

　ポカポカとした陽気の中を、グルッペン達5人はゆっくり歩く。
「また大先生達は起きなかったな･･･。」
「アイツ等ホンマ、朝一の授業出る気ないんか･･･。」
「ロボロとエミさんは真面目なんだけどね～。ゾムもかっ。」
Aは兄さんの隣を歩きながら、前を行くトントン達の会話を聞く。
グルッペンは黙って話を聞いているが、何処か穏やかな雰囲気を漂わせている。
「(･･･チラチラ見られる･･･)」
　Aはトントン達の話を聞きながらも、通学路を歩く他の生徒達の視線が少し気になっていた。
上位ランクの者だけだからか、憧れの眼差しや恋情の眼差しがトントン達に向けられている。
その中にある自分に向けられた、嫉妬や憎悪の視線が目立つ位に。

「それにしてもAちゃん細いな～。」
　するっ
「！？へっ･･･！？」
しんぺい神に突然指を絡めて手を繋がれて、Aは目を丸くさせた。