【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ11)

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第106話ページ11

「疑う訳ではないねん･･･って言うてもんー･･･！説明難しい･･･！
　Aの技術的にも、魔力的にも、普通より秀でてるモンがあるから調べとるねん。
　やけど俺等、本人が知られたくない様なモンまで調べてしまうねん。
　Aが知られたくない事は調べんから、教えてくれへん･･･？」
そう話すトントンは、とても申し訳なさそうだった。

「･･･師匠について･･･。」
トントンを見つめていたAが、口を開く。
「･･･多分･･･名前が、分かれば･･･すぐだと、思います･･･。」
「！ええの？そんな事教えて貰って･･･名前分かれば一発やで？」
「･･･すみません･･･師匠も、知られたくない事･･･なので･･･。
　もう少し、黙秘･･･させてください･･･。」
「ええんやっ。俺等を信用してくれてありがとう。」
頭を下げるAに、トントンは慌ててそう言った。

「！？うっわうるさ！！」
「何や何や！！」
　突然、A以外が片耳を塞いで顔を顰めた。
Aは急に4人が騒ぎ出したので、首を傾げる。
「あ、せや。Aちゃんに通信機ない。俺と一緒に聞こうな。」
鬱はそう言って、抑えていた片耳から小さい機械を外して少し体勢を低くして、Aと自分の耳に機械を近づける。
　『あ、まだAに渡してなかった！？』
「！？」
機械からロボロの声が聞こえて、Aは目を丸くさせる。
「それは帰ってからでええ。何あったん？」
トントンに冷静に言われて、機械越しにロボロは慌てた様子で話し始めた。

『お前等がおる所から、急にゾンビが湧き出しとるねん！
　多分今から離れても追いつかれる！！
　今ゾムとチーノとショッピで向かっとるから何とか耐えてくれ！！』
「･･･無茶言うでホンマ･･･。」
「多分やけど、さっき倒した巨体ゾンビがリーダー的ヤツやったんやろな。」
ロボロからの通信が切れて、5人はポカーンとする。
その間にも、奥の方からゾンビの集団が来るのが見える。
「あーあ･･･シッマまだ魔法使える？魔力の消費的に。」
「行けるけどちょいキツイ。」
「じゃあハイ、コレ飲みましょね～。」
「うげぇ。」
トントンがコネシマに渡したのは、Aの怪我回復の際にしんぺい神が飲んでいた魔力補充薬だった。
コネシマは顔を顰めながらも、それを飲み干した。
「･･･魔力補充薬って･･･高価な、物では･･･。」
「ああ、クエスターはほぼ無償で貰えるねん。」
不思議そうにするAに、シャオロンはそう説明してくれた。