第87話 ページ41
「何しとんねん！防御魔法出来たやろ！！」
チーノがすぐ傍にあった回復薬の蓋を開けながら、Aに心配そうに怒鳴る。
「咄嗟、で･･･間に、合わなかっ･･･」
「チーノ、先に手当てや。」
ショッピはAの怪我の具合を診ながら、冷静にそう言った。
「だ、大丈夫か！？」
教師が目を丸くさせて、A達の方へ駆け寄ってきた。
「先生、先に浮かせてた奴等への対処を。コッチはコッチで何とかするんで。」
「わ、分かった！」
ショッピに言われて、教師はふざけていた生徒達の対処へと向かった。
「(痛いっ･･･久しぶりに、こんな怪我した･･･！)」
Aは怪我をした腕を動かせず、強烈な痛みからか身体が少し震えだしている。
「"イナリさん"、すまんですけどペ神か"ソーラさん"呼んで貰ってええですか？」
知り合いだったのか、ショッピが狐面の女性に訊ねる。
狐面の女性は頷いて、何かをし始めた。
「Aッ･･･！」
チーノは不安そうに、回復薬を持ってどうしようと慌てている。
「薬品による重度の火傷や、気休めにしかならんがかけろチーノ。
･･･A、我慢出来るか？」
ショッピが訊ねると、Aは床に落ちた自分の白衣を片手で持ち上げ、綺麗な部分を自分の口に咥えた。
そしてショッピの方を、曇った目で、痛みで顔を歪ませながら見る。
「(･･･痛みで声を出さない様にするまでが早い･･･)」
ショッピはAを見てそんな事を考えながらも、チーノの方を見て頷いた。
「っすぐ終わらすからな。」
チーノはそう言って、Aの痛々しい腕に回復薬をかけた。
ジュゥゥゥ＿
「っう"･･･！！」
チーノが回復薬をかけると、Aの腕から消火した後のように細く煙が上がる。
Aは回復薬が染みて激痛が走り、白衣をギュウッと強く噛みしめる。
「チーノさんショッピさん！一応追加の回復薬を！」
「後、冷やせる物を持って来ました！！」
よっぴ〜とアイクが気を利かせて、よっぴ〜は大量の回復薬や包帯、アイクはタライの中に氷を入れて持って来た。
「あざす！」
「手伝える事は？」
「念のため、よっぴ〜さんはA抑えてください。」
「アイクさん！中級回復薬作成手伝ってください！念のために作ります！！」
「「了解！！」」
チーノはアイクと共に、傍の大釜で中級回復薬を作り始める。
「すいません、我慢して下さいね。」
よっぴ〜がAの後ろから、Aが動かない様に抑える。
Aは痛みに耐えながら、何度か頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語4【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】もっと見る
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - III IV IV〈みよよ〉さん» コメントありがとうございます！面白いと思っていただけて嬉しいですっ！応援ありがとうございますっ！！まだまだ続きますのでよろしくお願いしますっ！！ (2021年11月8日 21時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
III IV IV〈みよよ〉 - あかがみんが出て大興奮中の私ですwすごい面白いです！応援してます (2021年11月8日 21時) (レス) @page50 id: 416f1ef278 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月7日 10時
