第52話 ページ5
「大先生に聞いておけば良かったな。女子の嫌がらせってどんなのあるのか分からないや。」
「ナイフ持っとけば何とかなるやろ。」
「攻撃は防げるんだけどね〜。」
学園区の〈商業地区〉は、休日だからか人が多く出歩いていた。
「(会話が物騒･･･)」
Aは頭上で行われている会話を聞きながら、地区の様子を眺めて歩いている。
「着いたー！」
ゾムの声で、Aは前に顔を向ける。
「(･･･魔道具屋･･･？)」
少し古びて大きめの店の看板を見るに、目的の場所は魔道具屋らしい。
ゾムは嬉しそうに入って行き、シャオロン・オスマン・ひとらん・Aは後に続いて店の中に入った。
「いらっしゃいませー。」
店内には30代位の男が、気怠げにカウンターに座って新聞を読んでいる。
「(店長さん･･･？)」
A以外は男の態度を気にする様子はなく、店内の商品を見始めた。
「ゾム何買うの？」
「ナイフ！ストック増やしときたいねん！」
「俺も何か見ようかなー。」
ゾムは嬉しそうにナイフが飾ってある棚を見始めて、オスマンは銃が飾ってある棚を見始める。
「俺刀の方見に行くけど･･･どうする？」
ひとらんは近くのナイフを見ているAに、少し屈んで訊ねる。
「･･･見に、行きます･･･。」
Aはひとらんの方を向いて、ひとらんと目を合わせてそう答えた。
「じゃあついて来て。」
ひとらんがそう言って姿勢を正し、Aは歩き出したひとらんの後ろについて行った。
「＿此処が刀の場所。短刀から薙刀まであるんだ。」
「(多いな･･･)」
ひとらんがAを連れて来た場所には、壁にも机にも刀が飾られていた。
「安く買えるのは下にあるよ。雑に入ってるけどね。」
ひとらんが指差したのは、机の下に置かれている幾つもの箱。
その中にも刀が鞘に収められて、何10本も入れられていた。
種類によって分けられているので、少しは整理されているらしい。
「護身用だし･･･隠さなくてもいいなら打刀か脇差か･･･。でもな･･･。」
ひとらんはAの身体の大きさを見ながら、箱に入っている刀をガチャガチャと漁る。
「･･･ひとらん、さん･･･。」
「んー？」
Aが声を掛けると、ひとらんは刀を漁ったまま返事をする。
「･･･ひとらん、さんは･･･私の、グループ入り･･･反対、だったのに･･･。
何で、認めて･･･？くれたん、ですか･･･？」
Aがそう訊ねると、ひとらんは手を止めてAを見上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語3【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語4【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】もっと見る
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - III IV IV〈みよよ〉さん» コメントありがとうございます！面白いと思っていただけて嬉しいですっ！応援ありがとうございますっ！！まだまだ続きますのでよろしくお願いしますっ！！ (2021年11月8日 21時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
III IV IV〈みよよ〉 - あかがみんが出て大興奮中の私ですwすごい面白いです！応援してます (2021年11月8日 21時) (レス) @page50 id: 416f1ef278 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月7日 10時
