第58話 ページ11
昼食を食べ終わり、4人はレストランを出た。
「あの･･･本当に、いいん･･･ですか･･･？」
Aは不安そうに、ひとらんに訊ねた。
「いいのいいの。」
「･･･ありがとう、ございます･･･。」
昼食の代金は、ひとらんが全て支払ってくれた。
オスマンとゾムも一緒にお礼を言ったが、Aは本当に良かったのか不安になって訊ねたのだ。
「さっ。次はお待ちかね服屋さんー！」
「(待ってたのはオスマンさんだけでは･･･)」
張り切っているオスマンを見てAはそう思ったが、本人に言うのだけはやめておいた。
「最初は此処やな！」
オスマンを先頭にして辿り着いたのは、ナチュラル系統の服を扱っている店だった。
「(最初は･･･？)」
Aはオスマンの言葉に引っかかりを感じながらも、オスマンについて行く。
ひとらんとゾムは女性服の見せに慣れていないからか、そわそわとしながら2人について行く。
「Aちゃん天然っぽいし、似合うと思うねんなー。」
オスマンはふんふんと嬉しそうに鼻歌を歌いながら、服を見始める。
Aはその様子を見つつ、沢山ある服を見回している。
「Aちゃんっ。まずはコレ着てみてー！」
そう言ってオスマンがAに差し出したのは、白のタートルネックに深緑色のロングスカートだった。
「･･･オスマン、さん･･･あの･･･。」
「ん？どしたん？」
「脚･･･隠し、たいです･･･。」
オスマンに言うAは、脚に軽く触れて顔を少し顰めた。
「うーん、じゃあこのロングソックスも渡すわ。」
「ありがとう、ございます･･･。」
Aはオスマンから、長い白黒のボーダーソックスを渡された。
「試着室はアッチ。ほら行こうなー。」
「は、はい･･･。」
オスマンはひとらんとゾムを残して、Aを試着室へと連れて行った。
「･･･残された･･･。」
「ホンマに･･･わざとやろアレ。」
女性しかおらず、視線も集めてしまっているひとらんとゾムは、顔を顰める。
「A、オスマンの着せ替え人形なってまうやろ。」
「仲間に女の人いなかったし、気軽に頼める人もいなかったからねぇ･･･。」
「外交しとるし、顔広いやろ。」
「心許せる人いなかったからね。･･･俺もゾムもそうでしょ？」
「まぁな。」
ひとらんに返事をしたゾムは、眠そうに欠伸をした。
「･･･オスマンなりに、気ぃ使ったんかな。」
「？何で？」
「上の服、首隠せるやつやったやん。」
「ああ･･･そう言えば。」
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眼目夢子(プロフ) - III IV IV〈みよよ〉さん» コメントありがとうございます！面白いと思っていただけて嬉しいですっ！応援ありがとうございますっ！！まだまだ続きますのでよろしくお願いしますっ！！ (2021年11月8日 21時) (
レス) id: adc36b28e6 (このIDを非表示/違反報告)
III IV IV〈みよよ〉 - あかがみんが出て大興奮中の私ですwすごい面白いです！応援してます (2021年11月8日 21時) (レス) @page50 id: 416f1ef278 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2021年10月7日 10時
