第58話 ページ10
外に出たA達5人は、むつーに連れられて悪霊退治屋本部から離れる。
「その悪霊達は、何処にいるんですか？」
「“何処にでも”」
「ど、何処にでも･･･？」
むつーは微笑みながら、話を続ける。
「標的がいる場所には、何処にでも現れるんですよ。
そしてそれらは･･･
“角のあるものから出てくる”」
風の音が、止んだ。
葉も揺れなくなり、辺りが一瞬で静かになる。
「“これ”はその標的の証です」
むつーはそう言って、4人に自らの手の甲を見せた。
その甲には、銃の標準の様な紋章が刻まれている。
「そして、それらは･･･
決して標的を逃さない 」
＿周りの木々の、枝の先。
“尖った枝先”から、異様な何かが現れる。
それは形を留めていない、獣の様な存在＿＿＿“猟犬”だ。
「！あれですか」
Aは瞬時に短刀を構えて、むつーと猟犬の間に立って戦闘体勢に入る。
「A、俺等もやるからな」
「！ゾムさん達･･･」
ゾム・シャオロン・チーノが、Aの横に立ち、戦闘体制に入る。
「一人でさせへんで？」
「師匠は見とってね？」
「ええ。お任せします」
むつーはシャオロンに返事をして、4人から少し距離をとる。
猟犬は1匹だけではなかった。
木々の枝先から、数匹現れる。
空は青空から、何とも言えない赤っぽい空になる。
「倒させていただきます。
＿＿＿お覚悟を 」
Aはそう言い、猟犬に向けて走り出す。
ゾム達も走り出して、Aと共に猟犬との戦闘に入った。
猟犬は長い舌の様なものを突き出したり、その鋭い鉤爪で引き裂こうとして来る。
しかしA達はその攻撃を避け、多少の擦り傷を作りながらも確実に猟犬達を追い払う。
「(･･･凄いな。
まるで“ダイス”が仕事をしない)」
むつーは戦闘を眺めながら、自分の手の中を見る。
むつーの手の中では、小さなサイコロ＿ダイスがクルクルと回っては止まり、また回り出しては止まっていた。
「(成功、スペシャル、クリティカル･･･
失敗がないのは流石になぁ･･･？
チーノさんとかファンブル常習犯なのに･･･)」
むつーはダイスから、また戦闘の方へ目線を戻す。
戦闘を行っているA達は、猟犬と言う慣れない相手との戦闘に苦戦していた。
しかしそれも初めの内だけで、もう数匹の猟犬を消している。
「(･･･運命どころの話じゃないな。
“君”は一体何処まで手を回しているんだろうね･･･？)」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
