第96話 ページ48
2日間連続で、Aが知らない者に狙われた。
一人目は狐の仮面を着けた男、もう一人は猫の面を着けた男。
どちらもAを“あちらの世界”へ、連れて行こうとしていた様だ。
「はー・・・
本当に、厄介なモノに絡まれるねぇ・・・」
シャオロンと二人きりになり、起きた事を聞いたしんぺいは頭を抱えた。
「追い返せはしたんやけど･･･
多分、色んな奴が来る気がしてならんねん」
シャオロンは暗い表情で、しんぺいにそう言う。
「こっちに介入出来て、
“能力”は使えへんっぽかったねん･･･。
これから介入する人数とか増えたりしたら、
どうしようか悩んどるねん。
俺ら記憶ある奴だけで何とかするにも、
場合によっちゃ他の奴の手も借りなアカン･･･
だけどどうやって手を借りるか･･･
後々の説明大変やねんな･･･」
シャオロンは俯きながら、顎に手を添えてブツブツと呟く。
「･･･シャオロン？
一人で考え込みすぎてるよ？」
「！す、すまんっ･･･」
ハッとして眉を顰めたシャオロンに、しんぺいは微笑む。
「今は僕たちで出来る事をしよう。
ロボロ達には
『怪しい奴らがAちゃんを狙い始めた』
って話をすればいいと考えてるよ。
実際･･･
Aちゃんは悪霊に好かれて狙われてるからね」
そう話をしたしんぺいは、困った様に笑った。
「･･･悪霊にも好かれて、
“アイツら”に狙われてって･･･
不幸体質すぎひん？A」
「ある意味ねぇ･･･。
呪いの進行については、
僕がむつーさんとかに掛け合ってみるよ。
このまま進行が進めば、
Aちゃんはすぐにでも限界を迎えそうだからさ」
「･･･師匠には、俺が頼んでみるで？
俺もちゃんと思い出したって、
師匠に話したいからさ。」
「･･･シャオロンなら、
記憶を消されずに済むかもね。
チーノはダメだったよ」
「！チーノが･･･？」
「うん。
チーノが遊びに来た時にね、
むつーさんの力の気配を感じ取ってね･･･。
訊いてみたら、事実だったよ」
「･･･師匠･･･
絶対、抱え込んどるなんか。
他のお仲間さん見かけてへんから、
もしかして師匠･･･
今、独りで・・・？」
シャオロンは何かを考えつくと、スクッと立ち上がった。
「師匠んとこ行って来る」
「うん、行ってらっしゃい」
しんぺいがそう言うと、シャオロンは小走りで部屋を出て行った。
「･･･師匠思いだねぇ･･･」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
