第88話 ページ40
「＿話ってなぁに？アイクさん」
路地裏に入ったシャオロンは、行き止まりで立ち止まったアイクに訊ねる。
「＿＿＿シャオロンさん、
”記憶“取り戻しましたね？」
アイクの言葉に、シャオロンの笑顔が固まる。
「･･･眉が少し動いたと言う事は、当たりですね？
僕も･･･”記憶保持者“です」
アイクはニコリと笑い、シャオロンを見据える。
「･･･そんな素振り、見た事なかってんけどなぁ」
シャオロンは笑顔から真顔になり、アイクを見据える。
「シャオロンさんも･･･他の方も。
記憶を少し思い出しそうな状態であっただけなので･･･
僕の行動の違和感には気づかなかったんだと思います」
アイクはそう言い、目を逸らす。
「･･･僕は記憶保持者ですが、
”＊＊＊さん“とは皆さん程関われていません･･･。
僕が現在望んでいるのは、僕の仲間の人達の平和です。
勿論、”あの人“には恩が沢山あります。
だから助けたいのは事実ですし･･･
Aさん自身を手助けしたいのも事実です」
そう話すアイクは、悲しげな表情をしていた。
シャオロンは口を閉ざしたまま、アイクの話を聞いている。
「ただ･･･事態は考えていた以上に厄介そうです。
シャオロンさん。
先日黒いモヤの中に入りましたよね？」
「･･･何で知っとるん？」
「記憶保持者としてAさんを手助けする為、
僕はこっそり後をついて行ってたんです。
僕も皆さんと同じく迷い込みましたが･･･
運良く、”狐面の男“を確認出来たんです。
･･･何故、”あの区画“の人が迷い込めたのか･･･
もしかしたらこれから、
”ああいった事“が起こるかも知れません。
そうなったら･･･Aさんは、恐らく･･･」
「･･･狙われる、なぁ。
それがどう言う意図で狙われるかは、
相手の考え次第やけど」
口籠もったアイクに代わって、シャオロンが言う。
アイクは顔を顰めて、コクンと頷く。
「･･･っはー･･･
厄介すぎるなぁ、色々･･･」
「･･･ごめん、なさいシャオロンさん。
僕に手伝えるのは、情報を伝える位しか･･･」
「んーん、教えてくれてありがとう」
「わっ･･･！？」
しゃおろんに帽子越しに頭を撫でられて、アイクは目を丸くする。
「もし他に分かったら、教えてくれへん？
俺Aには幸せになってほしいねん」
「･･･っはい･･･！」
辛そうに笑うシャオロンに、アイクはそう返事をするしかなかった。
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眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
