第84話 ページ36
しんぺいに別室に案内されたシャオロンは、しんぺいと向かい合って座った。
「･･･思い、出したのかな？シャオロン」
しんぺいは何処か不安そうな表情で、向かい合っているシャオロンに訊ねる。
「・・・思い出した、何もかも。
“＊＊＊”の事も･･･他の、皆ん事も」
シャオロンが真剣な表情で答えると、しんぺいは悲しそうに微笑んだ。
「･･･他の子達も、全員思い出したの？」
「おん。全員思い出した。
“大先生の妹”やったり、
“どっかの国の元・王子に育てられた義理の娘”やったり、
“能力者を生み出した文明を追う怪盗”やったり･･･
こう言うと・・・そうやな。
色んな可能性試してたんやろうな」
シャオロンはそう話しながら、自嘲する様に笑った。
「･･･他に思い出しているのは、
確認している限りではむつーさんと僕だけだよ」
「師匠が･･･？
･･･まあ、せやろうなぁ･･･
運命を司る神様になってもうてるし･･･
今もダイス、振るもんなぁ」
シャオロンは困った様に笑うが、また真剣な表情でしんぺいを見据える。
「ぺ神は今までAちゃんを育てとるのは、
“＊＊＊”と重ねとるから？
それともAはAとして見とるん？」
「･･･Aちゃんは、僕の大事な愛娘だよ。
厄介な呪いをかけられてて、
それでも必死に生きてくれている･･･
生きる理由が『僕を護る』だから、
複雑ではあるんだけど･･･
とにかく、大事な子だよ。
たった一人の、大事な大事な女の子」
「・・・そっか」
しんぺいの答えを聞いて、シャオロンは胸を撫で下ろす。
「･･･シャオロン、どうしたい？
僕はこのままAちゃんが満足するまで、
生きていてもらいたい」
「･･･俺やって。
Aが生きていたいって言うんやったら、
ずっと生きてられる様に手伝う。
･･･それを拒んどるんが、
Aにかけられた呪いなんやろうけど」
「･･･うん、そうだね。
解呪方法が見つからないのはきっと、
そう言う事なんだと思う」
「呪い解かんくてもええように、
俺･･･Aの事支える。
他の誰かに任せっきりに出来へんしっ。
俺も腹減ったから食べに行こうや〜っ！」
シャオロンはパッと明るい笑顔になり、立ち上がって部屋から出て行く。
「＿＿＿複雑な気持ちなんだろうねぇ、シャオロン」
しんぺいは悲しげに笑いながら、静かになった部屋の中で呟いた。
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眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
