第80話 ページ32
「ッチ･･･！」
狐の仮面の男は、後ろから勢いを上げて此方へ走って来る狼人間姿のシャオロンをチラッと見て、舌打ちをする。
「(こんな事なら“先生”から、
何か薬貰ってくれば良かったな･･･)」
男はそんな事を考えながら、チラリと自分の抱えているものを見る。
Aは未だに目を覚まさず、少し苦しそうに顔を顰めている。
規則正しく呼吸をしているから、急に失神したから顔を顰めたのだろう。
「･･･絶対、連れて帰るから」
男は優しい声色で、眠っているAへ声をかける。
そうすればAは、何処か表情が柔らかくなった様に感じた。
「＿＿＿ッガアアア！！」
「っ！？」
＿男を越したシャオロンが、男の前側にあった木に攻撃をした。
強烈な一撃を加えられた木は横に倒れて、男の前に倒れて行く手を塞いだ。
男は倒れて来た木に驚きつつ、シャオロンを睨みつける。
「行カセルカ･･･！！」
狼人間になったシャオロンは、不気味な雰囲気を纏いながら男を睨み返す。
「･･･獣が、調子乗ってんな･･･！」
男はそう言い、木を飛び越えて先へと走る。
「待テ！！」
シャオロンはまた力を込めて、男を追って走り出した。
息が少しずつ切れて行くのを気にせず、早くなって行く鼓動も気にせず、ただただ逃げて行く男を追い続けるシャオロン。
もうロボロ達が追いつけなくなり始めている事にも気にせず、ただただAを助けようと走る。
二足歩行での走りは、少しずつ四足歩行の走り方になって行く。
「(助ケル･･･！助ケル･･･！！
助ケナキャ･･･！今度コソ･･･！！)」
＿考えが少しずつ、本能的になって行く。
「っお前っ･･･
随分と悪霊っぽくなってんなぁ！！」
男は余裕のない笑みを浮かべて、シャオロンの方へ振り返って止まる。
「そんなにコイツが大事かぁ？
だったらもう少し早く動くんだなぁ！？」
男はそう言い、まだ走って来るシャオロンを煽る。
「＿＿＿ヴヴヴヴヴッ･･･！！」
＿＿＿男に追い付いたシャオロンは、黄色の瞳の狼になってしまっていた。
男へ敵意を剥き出しにして、低い唸り声を上げて威嚇し続けている。
その目に理性はなく、ただ男を狙っている。
狼そのものになったシャオロンは、不気味な雰囲気を纏っている。
「シャオロンさん！？」
「な、何で暴走してっ･･･！」
「二人下がって！俺が何とか･･･！！」
追い付いた3人の中で、ロボロが戸惑ったまま御札を懐から取り出す。
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眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
