第77話 ページ29
「Aっ！！」
シャオロンは少年の後を追って走って行き、やっとAを見つけた。
「Aっ･･･！？」
Aを見て、シャオロンは驚いて立ち止まる。
「＿＿＿あーあ、もう来ちゃったのか」
Aは、知らない狐の仮面の男に抱き上げられていた。
男に抱き上げられているAは、顔を伏せているが恐らく気絶している。
「･･･ソイツ離せや」
シャオロンはシャベルを構えて、狐の仮面の男を睨みつける。
「嫌に決まってるだろ。
“今度こそ”幸せになるんだからさ」
狐の仮面の男は、気味の悪い笑みを浮かべてそう答える。
「･･･離せ言うとるやろ。
離さんかったら俺行くで？
まあアンタは“崩壊”させに来るんやろうけど」
シャオロンがそう言うと、狐の仮面の男は仮面の奥で目を丸くさせた。
「＿＿＿誰の入れ知恵だよ･･･メンドくさいなぁ」
狐の仮面の男は舌打ちをして、シャオロンを睨む。
「“俺の分身”。羨ましいやろ」
シャオロンはそう言い、いつの間にかいなくなっていた少年を思い浮かべる。
「全員大切な俺の分身や。
しかも重要な情報残してくれる優秀さ。
っはー！我ながら超ええ子達生み出したわ」
シャオロンはそう言いながら、狐の仮面の男に一歩近づく。
「･･･諦めろよ、“失恋野郎”」
「お前こそ諦めろや“執着野郎“。
その子は”＊＊＊“ちゃう、”守宮A“っちゅう子やねん」
「ふーん。
じゃあAと仲良くするから諦めろ」
「嫌や言うとるねん。
連れてくのは”あの世界“やろうが」
シャオロンと狐の仮面の男との間に、バチバチと火花が散る。
「お前”リーダー“に譲ってる立場だっただろ。
”今回“は俺に譲れよ」
「譲る譲らへんの問題やないっちゅうねん。
”＊＊＊“じゃないんやから連れてくなや。
Aは俺らの仲間や、お前”ら“何かに渡さへん」
シャオロンはいつもの笑顔が消えて、冷たい目と表情で狐の仮面の男を見据えている。
「･･･ああ･･･めんどくさいなぁ･･･！」
狐の仮面の男は、器用に片手で自らの首を掻き始める。
「やっと”世界“に介入出来たと思ったら、
記憶を取り戻してる奴がいるし･･･
すんなり行かせてくれよ･･･
俺だって此処まで来るのに苦労してんだから･･･」
男が首を掻く動作が、少しずつ激しくなって行く。
「その苛ついたら首掻く癖まんまやなぁ･･･！
やるんなら来いや！俺だけででもやったるわ！！」
シャオロンはそう言って、シャベルを振り上げた。
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眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
