第76話 ページ28
「(･･･困ったな･･･どんな術式なのか分からない)」
一人になったAは、黒いモヤの中をランタンを持ったまま進んで行く。
周りを見ながら歩いているが、ロボロ達は見つからない。
「(悪霊で高知能を持ってるのがいたら･･･
ぺいんとさんとしにがみさん、
戦闘慣れしてないだろうから危ないな･･･)」
「・・・あ・・・」
「・・・？」
Aが歩いていた先に、一人の男が現れた。
狐の仮面を着けていて目元が見えないが、Aを見て動きが止まる。
Aは知らない男に見つめられて、首を傾げる。
「(神様･･･とも違う･･･？人間･･･？)」
「･･･っ此処、何処か･･･分かる･･･？」
狐の仮面の男は、カサついた唇でAに訊ねて来る。
白い髪は少し癖っ毛で、質素な浴衣から出ている首元も手も足も大分細く、首は喉仏が浮き出ている。
「･･･私も、迷い込んで来たので。
貴方はお一人ですか？何故こんな所に？」
Aは少し警戒をしながら、狐の仮面の男に訊ねる。
「･･･っ迎えに、来た。君を」
「・・・え？」
狐の仮面の男に言われて、Aは顔を顰める。
「迎えに来た･･･？他の方の知り合いですか？」
「･･･そうだけど、“今は”違う」
「今は？どう言う事ですか」
Aが聞き返すが、狐の仮面の男は口をつぐむ。
「やっと･･･やっと、見つけた･･･。
やっと“介入”出来たんだっ･･･」
「・・・(何の話をしてるんだろう)」
何か喜び始める狐の仮面の男の様子を見ながら、Aは男を不思議そうに見始める。
「･･･どうやら自ら此処に入ったらしいですね？
最初に『此処何処か分かる？』なんて訊いたのに。
貴方は何が目的なんですか？
答えによっては･･･此処で貴方を斬り伏せます」
Aはそう言って、異空間から打刀を取り出し、その切っ先を狐の仮面の男に向ける。
「･･･覚えてなくていいや。
“今度こそ”、幸せになろうなぁ･･･？」
「・・・っ・・・？」
狐の仮面の男が、気味の悪い笑みを浮かべる。
それに何とも言えない寒気を感じて、Aは小さく身震いをした。
「(何、この人･･･
最初の時の困惑してた雰囲気から、
急に怖い雰囲気になった･･･！
“今度こそ”ってどう言う事･･･！？)」
Aが戸惑っている間に、狐の仮面の男は一歩ずつ近づいて来る。
「さあ･･･一緒に帰ろう？“＊＊＊”」
「・・・な、」
＿そこで、意識が途切れた
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眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
