第75話 ページ27
「(・・・誰や、コイツ)」
一人で歩いていたシャオロンは、歩いていた方向に一人の少年を見つける。
「＿＿＿やあ、“逢えた”ね」
桜色の髪色に、眠たそうな目。
セーターを着た少年は、恐らく学生なのだろう。
中にワイシャツを着ていて、胸元には少しイカついネックレスを着けている。
「(同じ声･･･？
･･･何や･･･？俺はコイツを、知ってる･･･？)」
前にいる何も動じていない少年を疑う様な目で見ながら、シャオロンは違和感を感じる。
「･･･ついて来て。仲間の所に案内するから」
「･･･ッハ。誰が信じるか。
急に現れた癖に、何を知っとるんや餓鬼が」
シャオロンが煽るが、少年は少しも動じずにジーッとシャオロンを見続ける。
「いいの？仲間倒されるかもよ？
“人間の女の子”、
早く見つけなきゃダメなんじゃない？」
少年にそう言われ、シャオロンは瞬時にシャベルを取り出してその先を少年の鼻先へ向ける。
「何で俺の仲間を知っとるん？
お前は誰や？何でこんな所におるん？
何で“人間に近い雰囲気”を出しとるん？」
シャオロンが圧をかけながら問いかけるが、少年は鼻の先にあるシャベルも気にせずに、口を開く。
「此処に来た時点で分かるよ。
その中に“純粋な人間の女の子”がいるのは、
何となく気配で分かった。
僕の事･･･薄々勘付いてるんじゃないの？
他の仲間･･･ああ、この空間の外にいる仲間ね？
その人達の中にも、勘付いとる人はいるでしょう？」
少しずつ、少しずつ口調が変わって行く。
「ねえ、一番早く気づいたやろ？
思い出したくて、思い出したくて、
仕方なかったやろ？
思い出せ･･･」
「＿＿＿思い出せや･･･！
“俺”・・・！！ 」
ズキンッ
「ウッ･･･！？」
少年がシャベルを避けて、シャオロンの胸倉を掴んだ。
その瞬間に、シャオロンの頭が急に痛み出した。
「思い出せ！ええんか！？」
ズキンッ
「大事や思っとるんやろうが！！」
ズキンッ
「何を怖がって思い出すのを拒んどるんやっ！！」
ズキンッ
『＿＿＿＿？』
「･･･っあ･･･」
『＿＿ロン・・・シャーオロンッ！』
「・・・っあ・・・」
＿ポロポロと、シャオロンの目から涙が零れ落ちる。
「･･･思い出したなら、行こう。
合流して、あの女の子を助けよう」
「･･･助ける、“今度こそ”＿＿＿！」
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眼目夢子(プロフ) - 冬野さん» コメントありがとうございますっ！す、好きと言っていただけてとっても嬉しいです！！応援ありがとうございますっ！！もう少し続きますので、お楽しみに･･･！！ (2022年2月12日 4時) (
レス) id: cd5f0ffb10 (このIDを非表示/違反報告)
冬野(プロフ) - えっｯｯｯｯｯｯｯｯ、神？前々から拝見しておりました好きです応援してます（早口） (2022年2月12日 3時) (レス) @page50 id: d428e74894 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：眼目夢子 | 作成日時：2022年1月31日 1時
