【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ10)

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第7話ページ10

「A、さん？」
「･･･はい･･･。」
少女Aの返事を聞いて、チーノはパァッと表情を明るくする。
「俺等昨年入学したばっかですけど、仲良くしてな！」
「･･･よろしくお願いします･･･。」
Aの返事を聞いて、チーノはニコニコと笑う。

　「お前等、何ナンパしとるねん。」

「あ、鬱兄さん。」
「やったのはチーノっすよ。」
「ショッピも行く言うたやん！」
　チーノとショッピに話しかけてきたのは、くたびれた制服を着て、煙草を吸っている男だった。
　「どっちでもええわ。すんませんねぇ、俺の後輩が。」
「･･･いえ･･･。」
煙草を吸う男に、Aは小声で返事をする。
「あ、Aさん！この人は俺等の先輩にあたる鬱さん、大先生って呼ばれてるんすよ！」
チーノは嬉しそうに、Aに煙草を吸う男･鬱を紹介した。

「ま、気軽に鬱くんとか、鬱～とかって呼んでね。」
「･･･はい･･･。」
鬱がヘラッと笑って言うと、Aはまた小さい声で返事をした。
「んで？二人はAちゃん？を挟んで何してたん？仲良くなった訳やないんやろ？」
鬱は煙草を消しながら、チーノとショッピに訊ねる。
「やー。"グルッペンさん"が気に入るだろうなーと思って！」
「は？"グルちゃん"が？」
「認識阻害魔法使ったんすよ、新入生なのに。」
「！？へー･･･。」
チーノとショッピの話を聞いて、鬱は目を丸くさせてAを見る。
「･･･ホンマに？Aちゃん。」
鬱に訊ねられるが、Aは黙ったまま俯く。
「ありゃ。もしかして話すの苦手な子？」
答えないAに、鬱は首を傾げて訊ねる。
Aはそれにも答えず、俯いて黙り続ける。
俯いているからか、「具合が悪いのか」とチーノとショッピは心配し始める。

「･･･なぁAちゃん。」
鬱はAの前でしゃがんで、Aを見上げる様にして訊ねる。
「うちの後輩がぐいぐい来てびっくりさせちゃったかな？ごめんね？
　お詫びに学園について聞きたい事あったら、俺でも此処の二人にでも聞いて？」
「え。チーノはともかく俺何もしてないっすよ。」
「一緒に強行突破しとるんやから同罪や。」
「ちぇー。」
鬱に言われて、ショッピは口を尖らせる。
「どうかな？Aちゃん。それで今の事チャラにしてくれへん？」
鬱がおねだりする様に訊ねると、Aは少しだけ顔を上げた。

「･･･！」
鬱が見たAの顔は隈の濃さが目立って色白いが、とても整った顔をしていた。