【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ8)

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第5話ページ8

「終わった･･･。」
　大講義室を出た少女は、小さく伸びをしてひと息吐く。
　大講義室の前には在校生であろう人達が、談笑しながらも新入生をグループに誘っている。
「(･･･捕まったら面倒だな･･･)」
少女はそう思い、スッと目を閉じる。

「("認識阻害魔法"･･･)」
　次に少女が目を開けると、少女の姿は誰からも見えなくなっていた。
否、実際には少女は存在するのだが、周りから"認識"をされなくなっている。
少女は人にぶつからない様に、無言でその場を離れた。

　「･･･おい、今の･･･。」
　＿少女が消えたであろう方向を見て、便底眼鏡をかけた男が連れの男に声を掛ける。
　「･･･"認識阻害魔法"っすね。高度な魔法だった筈っすけど。」
そう答えた連れの男は、便底眼鏡の男にそう答えると吸っていた煙草を消した。
　「どうする？"グルッペンさん"に伝える？」
　「否、あの人の事や。勘づいとるやろ。」
　「それもそうやなー･･･。そろそろ大講義室入る？」
　「せやな。"オスマンさん"も待っとるし。」

○●○●○

　少女は一人、パン屋で買ったサンドウィッチを、噴水がある広場のベンチに座って食べている。
お昼時だからか、少女の様にベンチに座ってお昼を食べる人の姿も見かける。
ベンチに座る人もいれば、近くのレストランや食堂へ足を踏み入れる人もいる。

「(･･･この国は平和なんだな･･･)」
　ポカポカとした陽気の中、少女はサンドウィッチを食べながらそんな事を考える。
「("師匠"が言ってたんだっけな･･･不思議な光によって守られてる国とか･･･)」
　少女はふと、国の中心であろう方向を見る。
其方を見ると、一筋の白い光が天へと空高く伸びている。
その光は途切れる事はなく、天さえも通り越している様に感じられる。
「(･･･あの光は、一体どんな効果があるんだろう･･･)」

　「失礼。隣に座ってもいいですか？」
「･･･。」
　少女は声をかけられて、其方を見た。
　「何処も空いていなくて･･･。」
声をかけて来たのは、便底眼鏡をかけた男だった。
その隣には、紫のヴィンテージヘルメットを被った男がいる。
「(･･･他に空いてる場所あるのに･･･)」
　少女は周りをチラリと見て、まだ幾つかベンチが空いているのを確認する。
「･･･空いてる場所、ありますよ･･･。」
便底眼鏡の男と紫ヘルメットの男に、少女は小さな声で返事をした。