【wrwrd】無表情な彼女の戦闘物語【あかがみん】【日常組】【pkt】【^ら^】 (ページ46)

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第43話ページ46

「持って来たでー･･･は？」
　Aと鬱がいる空き部屋に、二人分の食事を持って来たロボロ。
中に入って見えた光景に、ロボロは思わず声が出る。

「ん、サンキュロボロ。」
「『サンキュ』やないねん、何してるん？」
「ん？何って･･･ Aちゃん落ち着かせとる。」
　ベッドに座っているAに、鬱は後ろから抱きしめる様に座っていた。
「･･･トントン呼んで来るな。」
「え？何で！？」
ロボロはAに食事が乗ったお盆を渡し、鬱の分の食事はベッドに置いてそそくさと部屋を出て行った。

鬱はロボロの行動に驚きながらも、Aの事を見る。
「Aちゃん、食べれそう？」
鬱に訊かれると、Aはご飯を小さい口で食べながらコクンと頷いた。
そして、すぐ後ろにいる鬱を見上げる。
「鬱、さんは･･･食べないん、ですか･･･？」
「ん、俺も食べるよ。」
鬱がそう答えると、Aは安心した様にまた小さい口で食事を食べ始めた。
それを見てから、鬱は自分の分のパンを一つつまんで食べた。

「う～つ～？」
「ひえっ！？トンち･･･！？」
　Aと鬱がいる部屋に、トントンが満面の笑顔で入って来た。
トントンがいつもより笑顔なので、鬱は目を丸くして食事の手を止める。
「端から見れば事案だぞ～？鬱～。」
「トンち怖い！怖いよ！！」
笑顔で冷気を纏いながら一歩ずつ近づいて来るトントンに、鬱は両手を挙げて降参の意志を示す。

　シュンッ
「･･･！！」
「あっ･･･！」
　突然Aが消え、A自身も鬱も目を見開く。
　「さ、Aちゃんは避難しとこうな～。」
「チーノ！俺も助けろ！！」
　「無理っすね！」
　部屋の外にいたチーノに、Aはお盆を持ったまま抱き上げられていた。
「チーノ、さん･･･。」
「ビックリした？俺の時魔法で瞬間移動みたいな事したんよ。」
目を少し見開いているAに、チーノは嬉しそうに話した。
「あの･･･鬱、さんは･･･。」
「大先生は粛正入るんで、リビングで一緒に食べましょね～。」
「う～つ～！」
「あああああ！！」
　トントンの楽しそうな声と鬱の悲鳴が聞こえてきてAは戸惑うが、チーノは気にせずにAをリビングへと連れて行った。

○●○●○

「沢山食べる事で、怪我の治りに役立ちますからね。」
「いっぱい食べろよー！」
「は、い･･･。」
リビングに連れて来られたAは、同じく食事を食べていたエーミールとシャオロンに挟まれながら食事を摂った。